[No.1] 筒内噴射式ガソリン・エンジンでは、ポンピング・ロスを低減して熱効率を向上させているが、その理由として、適切なものは次のうちどれか。

(1) 均質燃焼時にタンブル流を起こすためである。

(2) 成層燃焼時にスロットル開度を大きくしているためである。

(3) 圧縮圧力が高いためである。

(4) ピストンのクラウン部に直接燃料を噴射して効率の良い燃焼を行っているためである。


[No.2] エンジン電子制御装置に関する次の文章の(   )にあてはまる語句として、下の組み合わせのうち適切なものはどれか。

 ( イ )が( ロ )を経由して( ハ )の駆動を行っているが、最終的には( ニ )の作動であり、駆動信号が正常でも( ニ )が駆動信号に追従しているとは限らない。
 従って( ニ )の作動監視を行わないと、( ハ )機能の正常、異常の検知に不可能な部分が残るため、( ハ )本体にフィードバック・センサを備え、その信号によって駆動状態の監視を行わせている( ハ )もある。

  イ

  ロ

  ハ

  ニ

(1)

駆動回路

アクチュエータ

機械部分

マイコン

(2)

マイコン

駆動回路

アクチュエータ

機械部分

(3)

機械部分

マイコン

駆動回路

アクチュエータ

(4) アクチュエータ 機械部分 マイコン 駆動回路


[No.3] クレストファクタの説明として、適切なものは次のうちどれか。

(1) クレストファクタとは、交流波形の片波形の最大波高値(以下「P値」という。)と片波形の平均値との比を係数で表したものである。

(2) クレストファクタとは、P値と実効値との比を係数で表したものである。

(3) クレストファクタとは、交流波形の両波形の最大波高値(以下「P-P値」という。)と実効値との比を係数で表したものである。

(4) クレストファクタとは、P-P値と両波形の平均値との比を係数で表したものである。


[No.4] 表にある性能を有するサーキット・テスタを用いて直流電圧を測定したところ、表示部に「20.00V」と表示された場合の測定真値として、適切なものは次のうちどれか。
    ただし、電圧レンジは最も適切なレンジを使用したものとする。

    表
仕 様

直流電圧(DCV) 120mV、1.2V、3V、12V、30V、120V、300V,
        1200V(最大1000V)

交流電圧(ACV) 6V、30V、120V 、300V、1200V(最大 1000V)

直流電流(DCA) 30μA、3mA、30mA、300mA、6A

抵 抗 (Ω)  0~3kΩ(中央目盛25Ω)×1、×100、×1k、×10k

低周波出力(dB) -10~+17dB
        +15~+31dB

〇回路定数と許容値

 直 流 電 圧 内部抵抗33.3kΩ/V 但し1200Vは10kΩ/V
         許容差 最大目盛値の±2.5%以内

 交 流 電 圧 内部抵抗10kΩ/V
         許容差 最大目盛値の±2.5%以内

 直 流 電 流 電圧降下 120mV
         許容差  最大目盛値の±3%以内

 抵     抗 使用電池 SUM-3  1本(1.5V)
              006P   1本(9V)
         許容差  目盛長の±3%以内

 低周波 出力  基準 0dB=0.775V (600Ω負荷で1mW)
         許容差  目盛長の±4%以内

〇保 護 回 路 ガラス管ヒューズによる回路保護バリスタと
         コンデンサによるメータ過負荷保護。

〇付 属 回 路 OUTPUT端子、極性切換スイッチ

〇保 存 温 度 -10℃~+50℃

〇付 属 品   テストリード棒 赤黒一組
         0.5Aガラス管ヒューズ1本

〇寸 法・重 量 133H×93W×49Dmm 330g

(1) 19.75V~20.25V

(2) 19.50V~20.50V

(3) 19.25V~20.75V

(4) 19.00V~21.00V


[No.5] 図を参考に次の文章の(   )にあてはまるものとして、下の組み合わせのうち適切なものはどれか。

 図は6気筒4サイクル・エンジンの場合のトルク変化を示したものである。この場合は燃焼間隔がクランク角120°となるため、合成トルクはクランクシャフト2回転で、( イ )のトルク変動が生じる。これをエンジンの( ロ )成分という。


(1) 12回 3次
(2) 6回 6次
(3) 12回 6次
(4) 6回 3次


[No.6] エンジンECU(ECUとは、エレクトロニック・コントロール・ユニットのことをいう。以下同じ。)の空燃比(燃料噴射量)制御の説明として、適切なものは次のうちどれか。

(1) アイドル回転速度時、エンジン回転速度が規定回転数以上で、かつ、冷間時アイドル回転速度条件のときは、エンジンECUはO2センサからの信号に基づいて空燃比を計算する。

(2) アイドル回転速度時、エンジンが冷間時アイドル回転速度条件から外れると、エンジンECUは温間時の条件に移り、O2センサからの信号を無視して、水温センサとバキューム・センサからの信号に基づいて空燃比を計算する。

(3) 加速しようとして、アクセル・ペダルを急激に踏み込むと、エンジンECUが基本噴射量とは別に吸気圧の変化に応じた増量分の燃料を追加噴射補正する。

(4) 減速リーン補正時には、エンジンECUがスロットル・バルブ開度の減少量と吸気圧の変化量を検知して、基本噴射パルス幅を減少させることにとり、CO、HCの低減を図っている。


[No.7] ハイブリッドECUの基本制御の説明として、不適切なものは次のうちどれか。

(1) HVバッテリの温度や電圧などを監視し、異常を検出した場合は、充放電の制限や停止によりバッテリを保護する。

(2) HVバッテリに充電が必要なときは、充電要求電力に応じてエンジン出力を増加させる。

(3) アクセル・ペダルの踏み込み量と車速から必要なエンジン出力を計算し、最適燃費線上からエンジン回転速度を求める。

(4) 電子スロットルの開度制御を行うとともに、プラネタリ・ギヤの共線特性からジェネレータの回転速度を決定し、エンジン回転速度を制御する。同時に必要な駆動力に対し、モータが分担するトルクを算出する。


[No.8] コモン・レール式高圧燃料噴射システム方式のジーゼル・エンジンの特徴として、不適切なものは次のうちどれか。

(1) 燃料噴射圧力を高圧化することで燃料が微粒化し、燃料の総表面積が大きくなって、周囲の吸入空気や熱とよく触れるようになる。このため、良い燃焼状態になりPMの発生が低減する。

(2) 燃料が微粒化したことで着火性が良くなるため、噴射タイミングを進角させることができ、着火遅れや燃焼期間が短くなることにより燃焼温度が低くなるので、NOxの生成も低減できる。

(3) コモン・レールと電磁式インジェクタを使用することにより、噴射量及び噴射時期をエンジンECUで精密に制御できる。

(4) 燃料噴射を2段階に分割し、パイロット噴射を行うことによりメインの燃焼が緩やかに開始するため、エンジンの振動及び騒音を低減できる。


[No.9] 電子制御装置の電源回路に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1) 5V電源回路で作られた基準電圧は、マイコン回路、センサ入力回路及びアクチュエータ駆動回路の電源を供給するとともに、基準電圧としてマイコンの演算、センサ及びアクチュエータ信号のもとになる。

(2) 安定化電源の点検では、イグニション・スイッチON時にエンジンECUの安定化電源端子電圧が5V±0.25Vの範囲を外れる場合は、エンジンECU内の電源回路の不良が考えられる。また、クランキング時もこの範囲を外れないことが必要である。

(3) クランキング時のバッテリ端子電圧は、エンジンの始動が可能なスタータ・モータ回転数を得るために、9Vを下回らないことが必要である。

(4) バッテリ電圧は、クランキングや電気負荷の大小により変動するが、電子制御装置に電源として加わる12V電圧はエンジンECU内の定電圧回路によって一定に保たれるようになっている。


[No.10] 下記の各センサ類に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1) クランク角センサの波形処理回路が処理できる最小電圧値は、標準クランキング回転速度以下の回転で発生する電圧値に設定されているため、クランキング時にも電圧の検出が可能である。
ただし、バッテリが上がり気味で設定回転速度以下になった場合は、電圧の検出ができない。

(2) エア・フロー・メータの温度補償抵抗は、吸入空気温度の高低により熱線から奪われる熱量が異なるため、吸入空気温度が高いときは出力電圧を高くするように補正する。

(3) O2センサは、ジルコニア素子の性質を利用し、理論空燃比に対し空燃比が濃いか薄いかを起電力により出力している。

(4) ノック・センサは、エンジンに取り付ける場所によってノッキングの感度が異なる。多気筒エンジンの場合、有害なレベルのノッキングがどの気筒で発生しても検出できる位置にノック・センサを設けてある。1個で検出できない場合は2個設置しているものもある。


[No.11] 論理信号センサに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1) スイッチ構造を持ち、スイッチのON・OFFにより電気信号を出力する。

(2) 検出情報の連続変化に対して、電圧を連続変化させる電気信号を出力する。

(3) 圧力や量、温度などが一定値以上又は一定値以下の信号を出力する。

(4) スイッチには、常開接点と常閉接点のものがある。


[No.12] センサの異常検知に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1) 異常が発生しても警告灯が点灯しない場合は、マイコンに異常検知不可能な領域の電気信号が入力されている。

(2) O2センサは、信号電圧が一定であっても異常検知しない場合がある。

(3) 論理センサは、その信号形態から単独で異常検知できる。

(4) 可変抵抗器を利用したセンサは、その信号電圧特性に一致しない場合の異常検知は不可能であり、信号電圧が一定値に固定したときに異常検知する。


[No.13] 電気式のアクチュエータに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1) デューティ比信号で駆動の制御を行うアクチュエータの駆動電力は、アクチュエータの両端に発生する電圧で決まる。

(2) デューティ比信号で駆動の制御を行うものはリニア駆動アクチュエータである。

(3) 駆動信号の電気エネルギーを機械的動作に変換する。

(4) 駆動形態別にスイッチ駆動、リニア駆動、出力回路駆動がある。


[No.14] エンジンの燃料噴射制御に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1) 減速時のフューエル・カットは、①スロットル・バルブ開度が全閉付近 ②車速が設定車速以上 ③エンジン回転速度が設定回転速度以上 ④エンジン冷却水温が設定温度以上 のすべての条件が満足したときに作動する。
(2) 右のオシロスコープのCH1の波形は、加速リッチ補正時のインジェクタ電圧波形を示している。
 このインジェクタは、電圧制御式でa部はインジェクタのプランジャ吸引時間、b部は保持時間を示している。

(3) 下のO2センサ出力電圧波形は、(A)が冷間アイドリング時 (B)が温間アイドリング時 (C)が加速時 を表している。

(訂正:(C)のCH1のレンジは200mV/divの間違い)

(4) 右のオシロスコープ波形は、CH1がインジェクタ、CH2がノック・センサを示しており、a~b間がイグニション・スイッチON時波形で、b点以降がクランキングしているときの波形である。クランキング時の振動によってノック・センサ電圧がわずかに発生している。


[No.15] 外部診断器の基本機能に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1) ダイアグノーシス・コード出力機能は、ダイアグノーシス・コードをISO及びSAEの規格に準拠した8桁コードを画面で表示する。

(2) フリーズ・フレーム・データ出力機能は、ダイアグノーシス・コードを記憶したときの自動車の状態(データ)を画面に表示する。

(3) コントロール・ユニットのデータ出力機能は、自動車のコントロール・ユニットのデータを数値又はグラフにて画面に表示する。

(4) アクティブ・テスト機能は、本来、一定の条件が成立しなければ作動できないアクチュエータを、作動条件にかかわらず作動させることができる。


[No.16] 図のABS(ABSとは、アンチロック・ブレーキ・システムのことをいう。以下同じ。)の作動に関し、表の作動の欄のイ~ハに入る語句として、下の組み合わせのうち適切なものはどれか。

インレット・バルブ
アウトレット・バルブ
作       動







(1)

増圧作動

減圧作動

保持作動

(2)

保持作動

増圧作動

減圧作動

(3)

減圧作動

保持作動

増圧作動

(4) 減圧作動 増圧作動 保持作動


[No.17] ABSのフェイルセーフ制御に関する説明として、適切なものは次のうちどれか。

(1) システムの異常を検知した場合は、フェイルセーフ・リレー、ソレノイド・バルブ及びポンプ・モータの出力をすべてONにする。

(2) ABS作動中に異常検出した場合は、故障箇所以外の作動をそのまま継続し、制御終了後に出力をすべてONにする。

(3) センサ、アクチュエータ、ECU内部に異常が発生すると同時に、メモリしたダイアグノーシス・コードで異常と判断された場合は、ABSの働かない制動モードへ移行する。

(4) IG2(イグニションNo. 2電源)の電圧異常(上昇、下降)でABSの作動を禁止した場合は、電圧が正常と判断されてもイグニション・スイッチをOFFにするまで通常制御へ移行しない。


[No.18] 振動・騒音に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。

(1) 一般にディスク・ブレーキの鳴き音は、ドラム・ブレーキより音は高く、振動周波数は5k~20kHzくらいである。

(2) 60dB(デジベル)の音のスピーカーが2個同時に鳴ると、音圧は120dBになる。

(3) 防振式プロペラ・シャフトは、プロペラ・シャフトの位相を合わせなくても済むメリットがある。

(4) 一般に、自動車のばね上振動を弾性振動と呼び、ボデーの曲げ及びねじれ振動を剛体振動と呼ぶ。


[No.19] 振動・騒音の現象のうち、シェイクに関する内容として、表の中から適切なものはどれか。


振 動 源 現 象
(1) タイヤのアンバランス ステアリング・ホイールが回転方向に振動する。
(2) エンジンのトルク変動 50~80km/hで"ボー"、"ウォーン"という感じで聞こえてきて、耳に圧迫感がある。
(3) エンジンの吸排気音 車内で"シャー"、"ブー"といった比較的高周波の音が発生する。
(4) タイヤのユニフォミティ不良 ステアリング・ホイールが上下方向に振動する。


[No.20] トラクション・コントロールに使用されているプリチャージ機能付き真空式制動倍力装置を説明した次の文章の(   )にあてはまる語句として、下の組み合わせのうち適切なものはどれか。

 図のプリチャージ機能付き真空式制動倍力装置にトラクション・コントロール作動時のプリチャージ用としてプリチャージ・ソレノイド・バルブ、ブーツ、サブ・プレート及びサブ・ダイヤフラムを追加した構造となっており、サブ・ダイヤフラムとサブ・プレートにより、変圧室と定圧室の間に補助変圧室が形成されている。
 この補助変圧室には、( イ )通路(ブーツ)が取り付けられ、プリチャージ・ソレノイド・バルブにより( ロ )が行われる。トラクション・コントロール作動時は、スキッドECUからの信号によりプリチャージ・ソレノイド・バルブが作動し、補助変圧室との差圧による力がサブ・プレートからプシュ・ロッドに伝達されて圧力を発生する。


       イ                ロ
 
(1) ブレーキ液の導入や排出を行う     油圧の調整

(2) 大気や負圧を導く           気圧の調整

(3) 大気が導入される           大気の導入又は遮断

(4) 負圧のかかる             負圧の調整


[No.21] 車両安定制御装置に関する次の文章の(   )にあてはまる語句として、適切なものは次のうちどれか。

 車両安定制御装置のビークル・スタビリティ・コントロール・システム(VSCS)は実際の車両ヨー・レートと、(    )からの信号により決定される目標ヨー・レートを比較することにより、車両のアンダ・ステア状態を判定している。

(1) 車輪速センサ及び蛇角センサ

(2) ヨー・レート・センサ及び車輪速センサ

(3) ヨー・レート・センサ及びGセンサ

(4) Gセンサ及び蛇角センサ


[No.22] SRSエア・バッグに関する記述として、適切なものは次のうちどれか。

(1) デュアル・インフレータは、衝突の大きさが小さいと、第1燃焼室のみの点火を行う構造になっている。

(2) 助手席乗員検知システムの頭部検知センサの取付位置は、一般に座高検知センサより高い位置に取り付けられている。

(3) 自動車がコンクリート壁に正面から衝突した場合、約20~30km/h以上の速度で作動するようになっている。

(4) エア・バッグ・システムの点検は、誤作動を防止するため、事前にエア・バッグ・カプラの接点を外し、通電電流値が10mA以上のサーキット・テスタを用いて行う。


[No.23] ヘッドライト回路図において、ヘッドライトLOの点灯時に、ヘッドライト・スイッチに流れる電流及びそのときのヘッドライト・スイッチの抵抗値として、下の組み合わせのうち適切なものはどれか。

 ただし、バッテリ端子間電圧は14.5V、V1とV2は13.5V、V3は0.4Vとします。




[No.24] スチール・ベルト式無段変速機(CVT)に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1) トランスミッションに用いられるフルードは、CVT専用のものを使用している。

(2) スチール・ベルトは、ブロック(エレメント)の引っ張り力によって動力伝達を行っている。

(3) 固定シープと可動シープを対向配置することにより、変速に伴うスチール・ベルトの中心線は、ほぼ一直線を保って平行移動する。

(4) セカンダリ・プーリの油圧室には、ライン・プレッシャをかけ、金属ベルトが動力伝達するために必要なベルト張力を与えている。


[No.25] 電子制御式AT(ATとは、オートマティック・トランスミッションのことをいう。以下同じ。)に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1) Dレンジでは、車速センサとスロットル・ポジション・センサからの信号により、変速特性に従い最適なギヤ位置に制御される。

(2) AT・ECUは、ライン・プレッシャを制御することにより、変速時のショックを軽減している。

(3) 車速は、非駆動輪の車速センサからの信号により判定している。

(4) シフト・ソレノイド・バルブに異常が発生した場合に、シフト・レバーによって、ギヤ段固定による走行が可能である。


[No.26] 電動式パワー・ステアリング(EPS)に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1) インプット・シャフトとアウトプット・シャフトの間は、回転方向にクリアランスを持って結合されている。

(2) トーション・バーの両端は、インプット・シャフトとアウトプット・シャフトに固定されている。

(3) コアは、トーション・バーがねじれると、回転方向に移動する構造になっている。

(4) EPS・ECUは、コイルに作用している交流電圧の変化を検出し、それを路面反力として検知している。


[No.27] モノコック構造のボデーとフレーム構造のボデーを比較した場合のモノコック・ボデーの特徴として、不適切なものは次のうちどれか。

(1) ボデー自体がフレームの役割を担い、車両質量を軽くすることができる。

(2) 同じ車両質量のフレーム構造の自動車に比べ、曲げ及びねじれ剛性に優れている。

(3) サスペンションからの振動や騒音が車室内に伝わりにくい。

(4) 1箇所に力が集中すると変形しやすい。


[No.28] オーバドライブ付き前進4段の電子制御式ATのセンサ又はアクチュエータに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1) シフト・レバーの各レンジの位置を検出し、または、インジケータ・ランプを点灯させるためにリニア信号センサが用いられている。

(2) オーバドライブ・スイッチは論理センサであり、手動スイッチのON又はOFFの操作により、電圧の有無を信号として出力する。

(3) ライン・プレッシャ・ソレノイドはリニア駆動アクチュエータで、スムーズな油圧制御を行うためAT・ECUからの信号によりデューティ制御している。

(4) シフト・ソレノイドには、AT・ECUからの信号により第1速から第4速まで変速制御を行うスイッチング駆動アクチュエータが用いられている。


[No.29] 電動式パワー・ステアリング(EPS)のアシスト・モータ又はECUに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1) アシスト・モータには、トルクを制御するリニア駆動アクチュエータとして永久磁石式DCブラシ・モータが用いられている。

(2) ブリッジ回路及びパルス幅変調(PWM)駆動により、アシスト・モータに流れる電流の方向及び強さが制御されている。

(3) EPS・ECUは、トルク・センサと車速センサの信号をもとにアシスト・モータを駆動する基本制御の他に、もどり制御などの補正制御やシステムの保護制御などの幅広い制御をしている。

(4) EPS・ECUは、イグニション・スイッチをONにした時に行う初期診断やシステム作動中に行う常時診断により、異常が発生したときには、ただちにシステムを停止させる。


[No.30] オート・エアコンのブロア・モータ又はECUに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1) オート・エアコンECUは、内気温センサで感知している室温と設定温度との比較を行い、冷房や暖房、吹き出し口、吹き出し風量の判断を行う。

(2) ブロア・モータは、空調に使用する風量の増減を行うアクチュエータで、ファンの回転速度を変えるリニア駆動アクチュエータである。

(3) オート・エアコンECUは、水温センサ、日射量センサ、外気温センサなどにより各種の補正の判断を行い、アクチュエータの駆動を決定する。

(4) ブロア・モータのアース側をパワー・トランジスタで駆動するマイナス駆動回路の場合、ボデー・アースとブロア・モータのアース側端子間の電圧特性により、電圧が高くなるほどブロア・モータの回転速度が速くなる。


[No.31] 「エンジン不調の自動車について、エンジン暖機後、無負荷時にエンジン回転速度を200min-1で一定にしたところ、O2センサの出力が約0.9V(O2センサの最高電圧値は1V)になっていた。」この結果をもとに、故障原因の推定として、適切なものは次のうちどれか。

(1) プレッシャ・レギュレータ・ダイヤフラムの亀裂

(2) フューエル・インジェクタ・フィルタの詰まり

(3) フューエル・ポンプの作動電圧の低下

(4) インテーク・マニホールド・ガスケットの損傷によるエア吸い込み


[No.32] 「オーバドライブに入らない。」という不具合について、次の点検結果から推定できる不具合箇所として、適切なものはつぎのうちどれか。

【点検結果】
    ・現象確認:Dレンジのオーバドライブのみ変速しない(その他のギヤの変速は正常)
    ・車載故障診断装置の表示:正常コード
    ・外部診断器でのシフト位置点検:オーバドライブの表示

(1) シフト・ソレノド・バルブ回路の断線または短絡

(2) AT本体内部不良

(3) 車速センサ信号の断線又は短絡

(4) AT・ECU不良


[No.33] 「エンジン警告灯が点灯しないが、エンジン不調である。」という自動車について点検したところ、次の表の結果が得られた。この自動車の不具合の原因として、適切なものはどれか。

(1) 水温センサの抵抗特性が変化し、エンジンが暖機しているにもかかわらず、空燃比が濃い状態になりエンジン不調となった。

(2) エンジンECU内の抵抗(R)が異常になり、エンジンが暖機しているにもかかわらず、空燃比が濃い状態になりエンジン不調となった。

(3) 水温センサの信号配線に接触抵抗などが発生し、エンジンが暖機しているにもかかわらず、空燃比が濃い状態になりエンジン不調となった。

(4) 水温センサのアース配線に接触抵抗などが発生し、エンジンが暖機しているにもかかわらず、空燃比が濃い状態になりエンジン不調となった。


点検箇所 点検結果
点火プラグ 点火部が真っ黒
外部診断器接続時の冷却水温 50℃
冷却水温実測 80℃
図のV1 0.5V
図のV2 1.5V
図のV3 0.5V
図のV4 1.5V
図のV5及びV6 0V



[No.34] 「自動車の異常を示すダイアグノーシス・コードの表示がないが、エンジンが始動しない。」という現象において、図の電源回路の点検を行った場合の判断として、適切なものは次のうちどれか。

【電源回路の確認又は点検作業】

 イグニション・スイッチをONにすると、エンジン警告灯が約2秒間点灯し、その後、消灯すると同時にフューエル・ポンプの作動音がする。そのときV2は5Vである。次に、クランキング時、V1が12Vから約10Vまで下がるが、スタータ・モータは正常時と同じように駆動できる。そのときV2が5Vから約4Vまで下がって変動し、V3は約10Vであった。

(1) 安定化電源が故障

(2) バッテリの容量が不足

(3) スタータ・モータが異常

(4) 安定化電源回路の作動電力不足      


[No.35] 圧縮天然ガス自動車の次の現象をもとに、その原因の推定又は措置として、適切なものは次のうちどれか。

【現 象】
 急速充填所にて充填直後に燃料圧力計が20MPaであることを確認し、数km離れた整備工場に戻り、約1時間後に燃料配管の気密検査を行うため圧力計を確認したところ、18MPaに低下していた。なお、整備工場に戻ってからはエンジンを停止していた。

(1) 燃料の温度低下により圧力が低下したのもで、特に問題はない。

(2) すでにガス漏れが発生しているのは明らかと思われ、火災発生防止に努めた。

(3) エンジンに必要以上の燃料が送られているのが原因と思われ、空燃比の確認を行った。

(4) 燃料圧力計の指示が間違っているので、圧力センサ及び表示部のテストを行った。


[No.36] 4気筒ガソリン・エンジン搭載の後輪駆動車を走行中、表の条件で、80Hzのこもり音が発生したときの不具合要因として、適切なものは次のうちどれか。


車速 70km/h
エンジンの回転速度 2400min-1
電動ファンの回転速度 1900min-1
トランスミッションの変速比 1.0(第4速)
タイヤの有効半径 0.3m
最終減速比 4.0

(1) プロペラ・シャフトのアンバランス

(2) プロペラ・シャフトのユニバーサル・ジョイントの位相ずれ

(3) 電動ファンのアンバランス

(4) タイヤのアンバランス


[No.37] 外部診断器をエンジン電子制御装置に接続したところ、吸気温センサ系統の回路断線を示し、また、エンジンECUデータが-40℃を示したため、次の作業を行った。この作業、図及び表から推定できる故障箇所として、適切なものは次のうちどれか。

作業1. 吸気温センサ側のコネクタを外したとき、外部診断器に表示された吸気温度は-40℃であった。

作業2. 吸気温センサ側のコネクタを外し、そのコネクタ内の信号線端子とアース線端子を短絡させたとき、外部診断器に表示された吸気温度は140℃であった。



(1) エンジンECUが異常

(2) 吸気温センサ側のコネクタとエンジンECU間又はエンジンECUが異常

(3) 吸気温センサ側のコネクタの接続部を含めた吸気温センサ側が異常

(4) 吸気温センサのサーミスタが異常


[No.38] 車載故障診断装置のダイアグノーシス・コード(以下「コード」という。)の特徴として、不適切なものは次のうちどれか。

(1) 同一の異常コードは、上書きされるため、同一コードを複数回検出しても1個の記憶となる。

(2) コードの記憶は、一定コード数を超えると、自動的に古い順に削除される。

(3) コードの表示は、数の小さい順に行われる。

(4) コードの消去は、バッテリ端子を外してもできない。


[No.39] 図の回路の矢印部のコネクタ電圧を測定したところ、V1は5Vであった。この場合の回路の故障の原因として、不適切なものは、つぎのうちどれか。


(1) センサの断線

(2) ワイヤ・ハーネス1の断線

(3) ECU内部配線の断線
   (アース回路を除く。)

(4) アース回路の断線


[No.40] 騒音・振動に関する故障診断の対処方法として、不適切なものは次のうちどれか。

(1) 高速走行時などに、ステアリング・ホイールや座席が”ブルブル”と上下振動したので、シェイクと診断し、ほぼタイヤが振動源であると考えられるためステアリング・ホイールの振動を測定した。

(2) 停車時にエンジン・レーシングしたとき、特定のエンジン回転速度で”ボー”、”ウォーン”と耳に圧迫感のある連続音がしたので、こもり音と診断し、エンジンや補機類に共振、アンバランス又は、共鳴を生じるところがないか点検した。

(3) 高速道路を走行中、特定の車速になると”ウォーン ウォーン”という波打つ音が発生したので、ビート音と診断し、エンジンやプロペラ・シャフトなどで共振やトルク変動を生じる箇所を点検した。

(4) 高速走行時などに比較的限られた車速で発生し、ステアリング・ホイールが回転方向に振動したので、フラッタと診断し、プロペラ・シャフトを点検した。


[No.41] 「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律」(フロン回収・破壊法)に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。

(1) 代替フロン(HFC134a)は、フロン回収、破壊法に規定する対象冷媒ではない。

(2) 回収業者となる場合は、所在地を管轄する都道府県知事に登録しなければならない。また、回収したフロン類の量などを記録し、毎年度主務大臣に報告しなければならない。

(3) 引取業者となる場合は、所在地を管轄する都道府県知事に登録しなければならない。

(4) カー・エアコンの整備の際、少量であれば大気中に放出してもよい。


[No.42] 整備工場から排出される産業廃棄物の処理に関する記述として、不適切なもの次のうちどれか。

(1) 使用済み自動車を処理する場合、マニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付しなければならない。

(2) エア・バッグは処理業者に渡す前に自家処理するか、適正処理できる業者に委託しなければならない。

(3) LLC(ロング・ライフ・クーラント)は、有害なエチレン・グリコールを含んでいるため、事前に抜き取ることが規定されている。

(4) LLCを処理する場合は、油水分分離装置で浄化処理する。


[No.43] ガレージ・ジャッキ又は2柱オート・リフトを使用するときの注意事項として、不適切なものは次のうちどれか。

(1) 自動車をジャッキ・アップしたまま、わずかな距離であってもジャッキを移動させてならない。

(2) ジャッキ・アップしたままで作業するときは、必ずジッド・ラックを併用しなければならない。

(3) 2柱オート・リフトを使用するときは、各車種で決められた位置に受け台をバランスよく確実にセットすること。

(4) 2柱オート・リフトで自動車の前輪をリフト・アップさせた後、後輪をガレージ・ジャッキでジャッキ・アップする場合は、まわりの状況を確認しながら行うこと。


[No.44] 「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善に関する法律」(PERT法)に基づき、一定規模以上の事業場が一定量以上排出した場合に届出する物質として、不適切なものは次のうちどれか。

(1) 特定フロン(CFC12)

(2) 代替フロン(HFC134a)

(3) エチレン・グリコール(LLCの主成分)

(4) 塗装用シンナー


[No.45] 災害発生の原因には「直接原因」と「間接原因」があるが、「直接原因」として不適切なものは次のうちどれか。

(1) 体調が悪い。

(2) 姿勢が悪い。

(3) 足場が悪い。

(4) 整理・整頓が悪い。


[No.46] 自動車分解整備事業者が小型乗用自動車を分解整備したとき、「道路運送車両法」及び「道路運送車両法施行規則」に照らし、分解整備記録簿に必ず記載しなければならない事項の記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1) 自動車分解整備事業者の認証番号

(2) 整備主任者の氏名

(3) 分解整備時の総走行距離

(4) 分解整備の依頼があった日


[No.47] 「道路運送車両法」及び「道路運送車両法施行規則」に照らし、分解整備記録簿に記載をしなくとも良い整備又は改造として、適切なものは次のうちどれか。

(1) タイロッド・エンドを取り外して行う自動車の整備又は改造

(2) プロペラ・シャフトを取り外して行う自動車の整備又は改造

(3) ディスク・ブレーキのキャリパを取り外して行う自動車の整備又は改造

(4) フロント・サスペンションのストラットを取り外して行う自動車の整備又は改造


[No.48] 平成13年12月に製作されたガソリンを燃料とする普通乗用自動車の原動機(4サイクル・エンジン)を、無負荷運転している状態で排気管から大気中に排出される排出物に含まれる一酸化炭素及び炭化水素を測定する場合に、その判定基準となる「道路運送車両の保安基準」に規定された数値として、適切なものは次のうちどれか。

一酸化炭素の容量比

炭化水素のノルマルヘキサン当量による容量比

(1)

1%以下

100ppm以下

(2)

1%以下

300ppm以下

(3)

2%以下

100ppm以下

(4) 2%以下 300ppm以下


[No.49] 「自動車点検基準」に規定された「自家用乗用自動車等の定期点検基準」のうち、2年ごとに行う点検項目について、年間の走行距離が5,000km以下の自動車(前回の当該点検を行うべきこととされる時期に当該点検を行った自動車に限る。)に限り、その点検を省略できるものとして、不適切なものは次のうちどれか。

(1) 車体の緩み及び損傷

(2) ステアリング・ギヤ・ボックス取付けのゆるみ

(3) フロント・ホイール・ベアリングのがた

(4) ディファレンシャルの油漏れ及び油量


[No.50] 「道路運送車両の保安基準」及び「道路運送車両の保安基準の細目に定める告示」に照らし、番号灯の点検を行った場合の判断として、不適切なものは次のうちどれか。

(1) 車幅灯を点灯させたときに番号灯が点灯したので保安基準に適合している。

(2) 追越合図灯(パッシング)を作動させたときに番号灯が点灯しなかったので保安基準に適合していない。

(3) 灯光の色が淡黄色だったので保安基準に適合していない。

(4) 番号灯を点灯させて夜間30mの距離から自動車登録番号標の数字等が確認できたので保安基準に適合している。