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一級自動車整備士2005年03月【No.01】 
エンジン電子制御・サーキットテスタ

問題 
 内部抵抗の大きいサーキット・テスタで図に示す抵抗の電圧を測定するときの測定誤差に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。

(1) 測定対象の抵抗値が,電圧計の内部抵抗値に比較し十分小さいとき,テスタの表示は計算値(理論値)より大きい値を示す。

(2) 測定対象の抵抗値が電圧計の内部抵抗値に比較し十分小さいときに比べて,測定対象の抵抗値が電圧計の内部抵抗値に近いとき,テスタの表示は計算値(理論値)より小さく,計算値との誤差が大きくなる。

(3) 測定対象の抵抗値が電圧計の内部抵抗値に比較し十分小さいときに比べて,測定対象の抵抗値が電圧計の内部抵抗値に近いとき,テスタの表示は計算値(理論値)より大きい値を示す。

(4) 測定対象の抵抗値が,電圧計の内部抵抗値に等しいとき,テスタの表示は計算値(理論値)と同じ値を示す。


解説
ポイントは、サーキット・テスタの限界を理解しているかどうかということです。

関連問題 一級自動車整備士2003年11月【No.03】

測ろうとする抵抗の値がRx、サーキット・テスタの内部抵抗をRtと表すとします。
理想(理論)はRt=無限大∞。

実際は、ハイ・インピーダンス入力にするには、よい部品を使わなければなりませんからコスト高になりますから、そうなると専門器なり安価なテスタの範疇を逸脱することになります。

さて、受験は短時間で明確な結論を出さなければなりません。


条件をまとめましょう。
大小関係 誤差 題意 結論
(1) Rx≪Rt 表示≒理論 表示>理論 ×
(2) Rx≪Rt
Rx≒Rt
(表示≒理論)
表示<理論
表示<理論
(3) Rx≪Rt
Rx≒Rt
(表示≒理論)
表示<理論
表示>理論 ×
(4) Rx≒Rt 表示<理論 表示≒理論 ×

まどろっこしい文ですが、なにがどうなっているか冷静に整理しましょう。

RxとRtの並列接続の合成抵抗で誤差を考えてもよいですが、電圧計というものは内部抵抗を高くして、測ろうとするものから電流をなるべ取り出さないようにしたいのです。

そうすることによって正確に電圧を測定できるのです。

測ろうとする抵抗Rxとサーキット・テスタの内部抵抗Rtが等しくなると、回路を流れている電流がサーキット・テスタに分流してきます。

もうこうなったら本末転倒です。

何を測っているのか、わけが分かりません。

物には限度というものがあるという問題です。

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