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一級自動車整備士2005年03月【No.16】 
電子制御式AT・センサ

問題 
 
電子制御式ATの車速センサに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。


(1) パ一キング・ギヤの回転速度を検出しているジェネレータ型の車速センサは,永久磁石に巻きつけてあるコイルに発生する交流電圧が変化することを利用している。

(2) ジェネレータ型の車速センサでは,出力電圧が入力回路で検出可能な値以上になったときに情報として検出される。

(3) パーキング・ギヤの回転速度を検出しているジェネレータ型の車速センサは,パーキング・ギヤの歯数によって1回転当たりのパルスが決まる。

(4) 磁気抵抗素子(MRE)内蔵のハイブリッドICを用いた車速センサは,車速が極端に遅い場合,磁束密度の変化量が少ないので信号電圧の変化が小さい。


解説

これは、難問だと思います。

出題項目としては、2級シャシのテキストのレベルでしょう。

ジェネレータ型は、一定回転以上からの検出しかできない。

すなわち、ジェネレータ型は、車速との関連性を考慮した上で利用されます。

いわゆる、速度あるいは、周波数特性からみると、コイル型センサには、

低域特性が悪い、高域ではノイズを拾いやすいなど、

特性上の限界があります。

それに対して、磁気抵抗素子は、
車速に依存しません

ジェネレータ型は、微分型ですから常に運動していなければ電圧が発生しません。

ところが、MREは、多極マグネット・リングの磁力線と、

MRE素子面との位置関係だけの問題ですから、停止状態でも特に問題がありません。

これが、永久磁石をベースにしたセンサの強みです。

磁力線変化型サンサの弱みは、低速領域です。


理想的には、低速でも高速でもMREにはON、OFFの電流パルスが発生し、

この信号を電圧信号に変換して、増幅器内のコンパレータやトランジスタで波形整形し、

形がととのったデジタル信号を出力します。


こりゃ、痛いところをつかれました。

他は題意の通りです。

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