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一級自動車整備士2006年03月【No.22】 
ABS警告灯

問題
 
 図に示すABSの警告灯等に用いられるスイッチ駆動アクチュエータ及びその点検方法に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

(1) 駆動回路が電圧の引き込みを止めると,抵抗(R)と駆動回路間に発生する電圧が立ち上がり,トランジスタのベース電流が流れてトランジスタがONし,警告灯が点灯する。

(2) 駆動回路の電源供給が断たれた場合,駆動回路への電圧の引き込みがなくなるため,ベース電流が流れてトランジスタがONし,警告灯が点灯する。

(3) アクチュエータが停止(警告灯消灯)しているとき,ECUの駆動端子とボデー間の電圧(V1)は,約1V以下になっている。

(4) アクチュエータが作動(警告灯点灯)しているとき,アクチュエータの両端の電圧(V2)は,約10V以上発生している。


解説

3)アクチュエータが停止(警告灯消灯)しているとき,ECUの駆動端子とボデー間の電圧(V1)は,約1V以下になっている。

消灯時は、トランジスタがOFFですから、V1は電源電圧に等しくなります。

この回路の狙いは、(2)に説明されています。

駆動回路の電源供給が断たれた場合

駆動回路への電圧の引き込みがなくなるため,

ベース電流が流れてトランジスタがONし,警告灯が点灯する。』

ECU内部電源が故障すれば、自力で警告灯を点灯させることができません。

故障時に外部電源により、警告灯が点灯するようにすればよいわけです。

例えば、内部が故障し駆動回路が開放されたとします。

12V電源−警告灯バルブ−R−駆動回路開放抵抗

の直列接続回路を考えます。

分担電圧の配分を考えますと、駆動回路開放抵抗が一番大きい値となりますから、

トランジスタのベース・エミッタ間にこの電圧がかかることになります。

トランジスタがON状態となり、コレクタ電流が流れ警告灯が点灯します。

Rはこの作動をさせるための分圧用抵抗です。

また、トランジスタONで、コレクタ・エミッタ間抵抗は小さいですから、電圧は抵抗に比例しますので、VECは高くありません(1V以下)。

したがって、警告灯が点灯時、12V電源電圧のほとんどが、警告灯の両端にかかります。

受験のお役には立ちませんが、ミニ知識として述べます。


オープンコレクタ出力

オープンコレクタというのは、トランジスタのコレクタ側がオープン(開放端子)になっている事からこう呼ばれている回路です。

特徴としては、出力側(外部電源)と入力側(この場合内部電源)の電源電圧が異なっていても接続が可能です。

むしろ、上記の問題は内部故障時に、コレクタに外部電源を接続することで故障検出を行っています。

一般的なオープンコレクタの一例を上げます。

外部電源から、内部のコレクタに接続されています。



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