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オートマティック・トランスミッション(Automatic Transmission)

電子制御式4速ATのリバース・クラッチが固着した場合に発生する不具合現象として、適切なものは次のうちどれか。なお、内部構造は図を参照のこと。

Nレンジは車が動くことなく正常である。Rレンジは正常に車両が動く。N→Dレシジにシフトすると3速で発進する。

Nレンジは車が動くことなく正常である。Rレンジは正常に車両が動く。N→Dレンジにシフトすると内部ロックでエンジンが停止する。

Nレンジは車が動くことなく正常である。Rレンジは正常に車両が動く。N→Dレンジにシフトすると1速で発進する。

エンジンを始動するとAT内部が一体で回転し3速で走り始めるが4速への変速点になると内部ロックにより急ブレーキが掛かる。




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解説

選択肢(1)が適切です。

むかしは、ATは、一級問題でしたが、最近は2級にも出題されますので、教科書的で長いですが説明します。


Nレンジ

正常時のNレンジの動力伝達経路は、インプット・シャフトの回転がリヤ・サン・ギヤを回転させているだけで、フロント・サン・ギヤ、フロント及びリヤ・プラネタリ・ピニオン(自転)、フロント・インターナル・ギヤを回転させることはできません。

したがって、アウトプット・シャフトには、インプット・シャフトの駆動力が伝わらず、空転状態になります。

動力のブロック線図を描いてみましょう。

下の図は本来のNレンジ状態において、リバース・クラッチが固着したものです。

リバース・クラッチが固着した場合、リヤ・サン・ギヤにインプット・シャフトの回転が加わりますが、リヤ・プラネタリ・ピニオンが自転します。


フロント・インターナル・ギヤが固定されていますので、フロント・プラネタリ・ピニオンは自転+公転しますが、いずれのクラッチも作動していませんので、動力は他の要素に伝達しません。

したがって「Nレンジは車が動くことなく正常である。」となります。

次にDレンジにおいて、リバース・クラッチが固着した場合の動力のブロック線図です。

入力が、前後のサン・ギヤに加わり、リヤ・プラネタリ・ピニオンが固定した状態で公転しますので、すなわち、Dレンジ3速の形になっています。

したがって「N→Dレシジにシフトすると3速で発進する。」ということになります。

Rレンジ

正常時のRレンジでは、トルク・コンバータからの動力はインプット・シャフト、リバース・クラッチ、フロント・サン・ギヤへと伝わりますが、フロント・プラネタリ・キャリヤがロー・リバース・ブレーキにより固定されているため、フロント・サン・ギヤは、フロント・プラネタリ・ピニオンを介してフロント・インターナル・ギヤを逆回転させます。

したがって、リヤ・プラネタリ・キャリヤを介してアウトプット・シャフトが逆回転します。

後退は、キャリヤ固定、サン・ギヤ入力、インターナル・ギヤ出力が基本原理です。

リバース・クラッチが固着した場合、特に異常症状はみられません。

したがって「Rレンジは正常に車両が動く。」ということになります。


結論として選択肢(1)になります。

確認作業


N→Dレンジ(1速:スロットル・バルブ開度が1/16を超えている)

 

正常時の第1速レンジでは、フォワード・クラッチだけが作動状態となっています。トルク・コンバータからの動力は、インプット・シャフトからリヤ・サン・ギヤ、リヤ・プラネタリ・ピニオン、リヤ・インターナル・ギヤへと伝達されます。

リヤ・インターナル・ギヤは、フォワード・ワンウェイ・クラッチとロー・ワンウェイの働きで固定になります。

リヤ・インターナル・ギヤの内側をリヤ・プラネタリ・ピニオンが回転するためリヤ・プラネタリ・キャリヤが回転してアウトプット・シャフトに動力を伝達します。


 

リバース・クラッチが固着した場合、インプット・シャフトの力はフロント・サン・ギヤ、フォワード・クラッチへ伝わり、結局、リヤ・プラネタリ・ピニオンが公転して、第3速の状態になります。

N→Dレンジ(2速)

 

正常時の第2速レンジでは、フォワード・クラッチとブレーキ・バンドが作動し、トルク・コンバータからの動力は、インプット・シャフトからリヤ・サン・ギヤ、リヤ・プラネタリ・ピニオン、リヤ・インターナル・ギヤと伝達され、第1速と同様にリヤ・プラネタリ・ピニオンの回転により、リヤ・プラネタリ・キャリヤが回転してアウトプット・シャフトに回転を伝えるが、リヤ・プラネタリ・キャリヤはフロント・インターナル・ギヤと一体のため、フロント・プラネタリ・ピニオン、フロント・サン・ギヤへも回転を伝えることになります。

フロント・サン・ギヤはブレーキ・バンドで固定されているため、フロント・プラネタリ・キャリヤが回転します。

この回転はフォワード・クラッチフォワード・ワンウェイ・クラッチへと伝達されリヤ・インターナル・ギヤを回転させます。


 リバース・クラッチが固着した場合、インプット・シャフトの力はフロント・サン・ギヤ、フォワード・クラッチへ伝わり、結局、リヤ・プラネタリ・ピニオンが公転して、第3速の状態になります。

N→Dレンジ(3速)

正常時の第3速レンジでは、フォワード・クラッチとハイ・クラッチが作動し、トルク・コンバータからの動力は、インプット・シャフトからリヤ・サン・ギヤへ伝わります。

ハイ・クラッチの作動により、リヤ・プラネタリ・ピニオンが固定した状態で回転します。

したがって、リヤ・プラネタリ・キャリヤを回転させることに成り、インプット・シャフトとアウトプット・シャフトは同じ回転速度で回転します。

リバース・クラッチが固着した場合、インプット・シャフトの力はフロント・サン・ギヤ、フォワード・クラッチへ伝わり、結局、リヤ・プラネタリ・ピニオンが公転して、第3速の状態になります。

N→Dレンジ(4速)

正常時の第4速レンジでは、フォワード・クラッチ、ハイ・クラッチ及びブレーキ・バンドが作動して、トルク・コンバータからの動力は、インプット・シャフトからハイ・クラッチ、フロント・プラネタリ・キャリヤへと伝わりますが、ブレーキ・バンドが作動しているため、フロント・サン・ギヤが固定されるので、フロント・ブラネタリ・ピニオンはフロント・サン・ギヤの周りを回転しながらフロント・インターナル・ギヤへ回転を伝え、リヤ・プラネタリ・キャリヤを介してアウトプット・シャフトが回転します。

フォワード・クラッチが作動しているため、リヤ・インターナル・ギヤへ伝えようとするが、リヤ・インターナル・ギヤがフォワード・クラッチより速く回転しているので、フォワード・ワンウェイ・クラッチが空転し、回転は伝わりません。

したがって、フォワード・クラッチの作動は、回転の伝達には直接関与していません。


リバース・クラッチが固着した場合、インプット・シャフトの力はフロント・サン・ギヤ、フォワード・クラッチへ伝わり、結局、リヤ・プラネタリ・ピニオンが公転して、第3速の状態になります。

オートマティック・トランスミッション 1レンジ

オートマティック・トランスミッション Dレンジ第1速


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