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一級自動車整備士2006年03月【No.14】 

新技術・筒内噴射式ガソリン・エンジン

問題 


 層状吸気・超希薄燃焼式の筒内噴射式ガソリン・エンジンの燃料噴射制御に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。

(1) 低負荷時は,成層燃焼を行うため,吸入行程前期の大気圧以下の雰囲気下で燃料を噴射し,ピストンの下降に伴う空気流動によりシリンダ内に均等に拡散するようになっている。

(2) 中負荷時は,均質リーン燃焼を行うため,圧縮行程後期の高圧雰囲気下で,高圧スワール・インジェクタより燃料を噴射する。

(3) 高負荷時は,均質燃焼を行うため,吸入行程前期の大気圧以下の雰囲気下で燃料を噴射し,燃料の気化熱を吸入空気の冷却に利用して体積効率を上げ,理論空燃比近くで燃焼させ高出力を得ている。

(4) 冷間始動時の触媒の温度を上昇させるために,始動直後の短時間,圧縮行程で燃料を噴射して超リッチ燃焼を行い,燃焼(膨張)行程で再度燃料を噴射し,残った空気と燃焼後の高熱を用いて再燃焼させ,触媒を早期活性化している。

解説

燃料噴射制御のまとめ
低負荷時
(成層燃焼)
成層燃焼を行うために、圧縮行程後期の高圧雰囲気下で、高圧スワール・インジェクションより燃料を噴射します。噴射された燃料は、コンパクトな球状噴霧を形成し、シリンダ内の気流制御との相乗効果でシリンダ内に拡散することなくスパーク・プラグ近傍に導かれ、成層燃焼(空燃比:25〜55程度)を行う。
中負荷時
(均質リーン燃焼)
成層燃焼と均質燃焼との切り替え時のトルク変化をスムーズにするため、均質リーン燃焼を行います。この燃焼時には、吸入行程前期の大気圧以下の雰囲気下で、燃料をシリンダ内に噴射しており、噴射された燃料は、シリンダ内に均等に拡散するようになっています。(空燃比:15〜23程度)
高負荷時
(均質燃焼)
中負荷時と同様に、吸入行程前期の大気圧以下に燃料を噴射し、燃料の気化熱を吸入空気の冷却に利用して体積効率を上げ、理論空燃比近く(空燃比:12〜15程度)で均質燃料を行ない、高出力を得ています。
低速トルク向上 燃料を吸入行程と圧縮行程で2回に分けて噴射して燃焼(空燃比:15〜23程度)させています。
触媒早期活性化制御 圧縮行程で超リーン燃焼を行ない、燃焼行程で再度燃料を噴射し、残った空気と燃焼後の高熱を用いて再燃焼させ、排気ガスを昇温させることにより、短時間で触媒の温度を上げ、触媒の早期活性化を図っています。

テキストをよく読んで、要点をまとめておきたいものです。



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