自動車整備士.com

Ads by Google

問題 ブレーキ液(brake fluid)

ブレーキ液に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

ブレーキ液には、ピストン・カップなどのゴム類を変質させないために、鉱油系のものが用いられている。
油圧式ブレーキにおいて、過熱により配管内のブレーキ液の一部が蒸気となり、ブレーキの効きが悪くなる現象をベーパ・ロックという。
ブレーキ液は、長期間使用していると、水分を吸収し、ベーパ・ロックを起こしやすくなる。
ブレーキ液には、作動温度において、適当な粘度と流動性を維持していることが要求される。




解説 ブレーキ液

選択肢(1)ブレーキ液には、ピストン・カップなどのゴム類を変質させないために、鉱油系のものが用いられている。
が不適切です。

ブレーキフルードは成分で分類すると
①グリコール系
②シリコーン系
③鉱物油系
ですが、グリコール系が主流です。
ブレーキフルードの規格は一般的に、アメリカ連邦自動車安全基準(FMVSS)のNo.116で定められたDOT規格が使われています。
JIS規格では、JIS K 2233:2006で定められています。


規格   ドライ沸点 ウエット沸点
DOT3   205℃以上 140℃以上
DOT4   230℃以上 155℃以上

ドライ沸点……水分が入っていない状態での沸点
ウエット沸点…水分が入ったときの沸点

ウエット沸点というのは、だいたい半年くらい使ったときで、 水分を3~3.2%含んだ状態をいいます。
そのため、実際には、ドライ沸点よりも、ウエット沸点を重要視します。
劣化したブレーキフルードは沸点が低くなり、本来の力を発揮できないだけでなく、ヴェイパーロック現象を起こしやすくなります。
また、吸湿が進むことで、ブレーキシステム内に錆を生じさせたり、ブレーキホースを劣化させる原因にもなります。

Ads by Google