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複数条件の場合はキーワードの間にスペースを入れてください。2級ガソリン自動車整備士・試験問題
2G 登録試験 2020年10月 問題01
ピストン・リングに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。
解説
選択肢(2)が不適切です。
(2)ピストン・リングには、耐摩耗性、強じん性、耐熱性及びオイル保持性などが要求されるため、一般にコンプレッション・リングの材料はアルミニウム合金で、オイル・リングはケルメット又はアルミニウム合金で作られている。
正しくは以下の通りです。
ピストン・リングには、耐摩耗性、強じん性、耐熱性及びオイル保持性などが要求されるため、一般にコンプレッション・リングの材料は特殊鋳鉄又は炭素鋼で、オイル・リングは炭素鋼で作られている。
実際には、ピストン・リングには、主に鋳鉄製とスチール(ステンレス鋼、シリコンクロム鋼、炭素鋼)製がありますが、燃費向上やCO2発生量低減を目的としてエンジンの高性能化が図られる現状においては、より強度や耐摩耗性が要求され、鋳鉄製からスチール(steel:鋼)製へと進化・移行が進んでいます。
(1)フラッタ現象が起きると、ピストン・リングの機能が損なわれ、ガス漏れによるエンジン出力の低下、オイル消費量の増大、リング溝やリング上下面の異常摩耗などが促進される。
この選択肢は適切です。
ピストンの圧縮リングがリング溝の上面、もしくは下面に密着せず、リング溝の中間で浮く現象をフラッタ現象(flutter phenomenon)といいます。
flutter は名詞では(旗などの)はためき、 (鳥の)羽ばたきの意味で、工学的は(エンジン等の)不安定な振動の意味として用いられます。
(3)スカッフ現象は、オイルの不良や過度の荷重が加わったとき、あるいはオーバヒートした場合などに起こりやすい。
この選択肢も適切です。
scuffは他動詞の意味では”〔物の表面を〕こする、すり減らす”、名詞では”〔こすれた〕あと、傷” という意味です。
(4)アンダ・カット型のコンプレッション・リングは、外周下面がカットされた形状になっており、一般にセカンド・リングに用いられている。
この選択肢も適切です。