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クランキング時間が長い(故障診断)
新車新規登録後1年程度経過した車両で、「最近、クランキング時間が長く、エンジンがスムーズに始動しなくなった。」という自動車について点検したところ、表の結果が得られた。この結果から、推定できるこの自動車の不具合原因とし、適切なものは次のうちどれか。
なお、ダイアグノーシス・コードは異常コードを示しておらず、通常走行時の運転性に問題はない。
点検箇所 | 点検結果 |
水温センサ信号電圧 | 正常 |
点火時期 | 規定値 |
エンジン圧縮圧力 | 全気筒規定値内 |
スタータ・モータ | クランキング・スピード:正常 |
ECUの電源電圧 | クランキング時の電圧:正常 |
解説
難しい問題だと思います。
始動時だけが問題だという点では。
(1)02センサの故障
この選択肢は不適切です。
始動時は02センサは温まっていないということでエンジンECUは、参照しません。
通常走行は問題ないということで02センサの故障は考えにくい。
(2)フューエル・ポンプのチェック・バルブの密閉性不良
この選択肢が適切です。
始動問題は、燃料系統が重要に関わっていることがあります。
燃料系統の中でもフューエル・ポンプ系統の不良にも注意しなければなりません。
チェック・バルブの密閉性不良で燃圧を高く維持できないので、始動直後の空燃比が目標設定値よりリーンになり始動性が悪くなると推測されます。
燃料系統の故障症状としては、出力不足・高速不調なども現れたりします。
(3)吸気温センサの故障
この選択肢は不適切です。
始動時噴射において、吸気温度は補正の役割ですから主たる要因とは考えにくい。
吸気温センサの故障した場合は、断線または短絡として自己診断で検出されると思われます。
(4)エンジンECUの故障
この選択肢は不適切です。
エンジンECUの故障では、始動できない、あるいは予備マイコンが作動するものと思われます。
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一級自動車整備士2003年11月【No.31】
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