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エンジンの調子が悪い(故障診断)

Dジェトロニック方式のエンジンにおいて,「エンジンの調子が悪い」という自動車について,外部診断器でエンジンECUデータを確認したところ,表のデータが得られた。このデータから判断される推定原因として,適切なものは次のうちどれか。

計測項目 正常車データ
(暖気運転後)
不具合車データ
(暖機運転後)
エンジン回転速度 650min-1 550~700min-1
吸気管圧力 37kPa 66kPa
ISCVデューティ比 35.5% 35.0~56.0%
エンジン水温 86℃ 86℃
噴射時間 2.56ms 3.90~4.10ms
スロットル開度 11.7% 11.7%
O2センサ電圧 0~1Vを一定周期で繰り返す 約0.95Vで一定

※ISCVとは、アイドル・スピード・コントロール・バルブのことをいう。

燃圧不足

O2センサ不良

バキューム・センサ特性ずれ

ISCV不良







解説

計測項目 正常車データ
(暖気運転後)
不具合車データ
(暖機運転後)
エンジン回転速度 650min-1 550~700min-1
吸気管圧力 37kPa 66kPa
ISCVデューティ比 35.5% 35.0~56.0%
エンジン水温 86℃ 86℃
噴射時間 2.56ms 3.90~4.10ms
スロットル開度 11.7% 11.7%
O2センサ電圧 0~1Vを一定周期で繰り返す 約0.95Vで一定

正常時と不具合時のデータを比較し、差異あるは乖離している項目を洗い出すと次の三つが上げられます。

①吸気管圧力
②噴射時間
③O2センサ電圧

選択肢の(1)から当てはめてゆきます。


(1)燃圧不足

本当に燃圧不足の場合は、 O2センサ電圧がリーン側に片寄るはずです。

O2センサ電圧がリッチ状態を示していますので、燃圧不足による希薄混合気ではなさそうです。
これは却下です。



(2)O2センサ不良

本当にO2センサが不良だとすれば起電力が発生しません。

O2センサに問題なさそうですから、これも却下。



(3)バキューム・センサ特性ずれ

この選択肢が適切です。

エンジン回転速度からして、アイドリング時と判断してよいでしょう。

このとき、吸気管圧力=66kPaです。

テキストによれば、アイドリング時、約32kPaですから、

66kPa≠32kPa

の状態では、特性がずれていると考えられます。

バキューム・センサのの特性が高い電圧側に特性がずれていれば、バキューム・センサの信号電圧も高くなるため、吸気管圧力が高いとエンジンECUも判断し、燃料噴射時間が長くなるものと推測されます。

(4)ISCVの不良

この選択肢は不適切です。

ISCVの不良、例えば固着した場合を考えます。

エンジン回転数は目標エンジン回転数と異なってきます。

O2センサが常にリッチ側を示すとは限りません。

用語と問題解説へもどる

一級自動車整備士2006年12月【No.31】




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