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2級自動車整備士・試験問題

プラネタリ・ギヤ(共線図)

図のプラネタリ・ギヤにおいて、インターナル・ギヤを固定し、サン・ギヤを3000回転させたとき、プラネタリ・キャリヤの回転数で適切なものを選択せよ。
ただし、図中の(  )内の数字はギヤの歯数を示す。

プラネタリ・ギヤ(共線図)

1000
1500
2000
9000

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解説

選択肢(1)が適切です。

試験のときは簡易的に次の公式表を使うとよいでしょう。

入出力状態と歯数の関係をまとめたものです。

プラネタリ・キャリヤの見かけ上の歯数は

「サン・ギヤの歯数+インターナル・ギヤの歯数」です。

この問いの場合は次のようになります。

名 称

歯数

状態

サン・ギヤ

38

入力
インターナル・ギヤ

76

固定
ブラネタリ・キャリヤ

114
(38+76)

出力

歯数の少ないサン・ギヤが歯数の多いプラネタリ・キャリアを回しますから、減速します。

ブラネタリ・ギヤの回転数を$N_p$と表しておきます。

\[ \require{cancel} \begin{align*} N_p =& \frac{\scriptsize{サン・ギヤの歯数} }{\scriptsize{ブラネタリ・キャリヤの歯数} } \times \scriptsize{サン・ギヤの回転数} \\ \\ =& \frac{38}{114} \times 3,000 \\ \\ =& \frac{1}{3} \times 3,000 \\ \\ =& 1,000 \end{align*} \]

電卓で1割る3を計算しないことです。

試験対策としては、ここまでをスムーズに解けるようになればよろしいかと思います。

大昔の試験では、回転方向まで問われたように思われましたが、最近は方向は問われません。

回転方向に関する問題の場合は、プラネタリ・キャリアを固定で逆転と記憶するとよいでしょう。
逆回転の一例ですが、

オートマチック・トランスミッションのRレンジは、
フロント・プラネタリ・キャリヤがロー・リバース・ブレーキにより固定されています。
フロント・サン・ギヤは、フロント・プラネタリ・ピニオンを介して
フロント・インターナル・ギヤを逆回転させています。

共線図による解答

共線とは、3点a,b,cが同一直線上にあることをいいます。

自動車工学などでは、トランスミッションの歯数と回転数の関係を表すのによく用いられているものです。

図の縦軸は、ギヤの回転数を、横軸はギヤの歯数を配置します。

プラネタリ・キャリヤを必ず中心にしてください。

この問題の場合は、次のような関係になります。
プラネタリ・ギヤ(共線図)

インターナル・ギヤが固定ですので回転数が0(c点)と扱います。
プラネタリ・ギヤ(共線図)

上の図では、二つの三角形があります。
大きさこそ異なりますが各辺の比は、同じです。
図の三角比は、つぎのようになります。

\[ \begin{align*} \underbrace {3000:114}_{ \color{blue} {\boldsymbol{大きい三角形の縦横比} } } = \underbrace { x :38 }_{ \color{blue}{ \boldsymbol{小さい三角形の縦横比} } } \end{align*} \]

このような三角形の比は、イコールを中心に内側同士、外側同士を掛け算します。

すると、求めたいプラネタリ・キャリヤの回転数 $x$ は、

\[ \begin{align*} 114 \cdot x =& 3000 \cdot 38\\ \\ x =& \frac{3000 \cdot 38}{114} \\ \\ =& \frac{3000}{3} \\ \\ =& 1,000 \end{align*} \]

となります。

プラネタリ・キャリヤの回転方向は、サン・ギヤと同方向となります。

共線図の注意点は、縦軸がサン・ギヤに対する横軸は、インターナル・ギヤの歯数になることです。
回転速度は、歯数に反比例するためです。

気をつけたいものです。

プラネタリ・キャリヤが固定の場合の共線図です。
プラネタリ・ギヤ(共線図)
固定は、回転数を0と扱います。

するとインターナル・ギヤの回転数は、縦軸がマイナスになりますので、逆回転を意味します。


2G 登録試験 2011年03月 問題19

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