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ABS警告灯が点灯したため,ダイアグノーシス・コードを点検したところ,下表のダイアグノーシス・コード53を表示したので,リレーOFF条件で図に示す回路の電圧を測定した。測定結果に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。ただし,重複故障はないものとする。
ダイアグノーシス・コード | 診断名 | 検出条件 |
53 | モータON故障診断 | ポンプ・モータ・リレーOFF出力時のMCK端子電圧が6V以上 |
解説
選択肢(4)が適切です。
この問題は、当Webサイトの当期の正解率ワースト・トップ・クラスの難しい問題です。
(1)V1に電圧がなく,コネクタAを外したときV1に電圧があったので,原因はコネクタA~コネクタB間の配線の短絡(地絡)と判断した。
「‥‥コネクタを外したら電圧が発生したので、原因はコネクタの短絡が原因‥」
短絡検査は難しいです。
問題の端子と発生する電圧の間に複数の部品がある場合や、
問題の端子以降とチェックすべき作業が多いために、
簡単に判断できません。
さらにコネクタBも外してV2が発生すれば、コネクタA,B間の短絡と判断してよいでしょう。
コネクタA以降を見るとECUですから、このECUに問題があることが分かります。
(2)V1に電圧がなく,コネクタBを外して,V2に電圧がなかったので,原因はECUの不良と判断した。
コネクタBを外しても、V2に電圧がなければ、ポンプ・モータ・リレーの短絡が考えられます。
①に電圧があり、V2に電圧がなければ、ポンプ・モータ・リレーの断線です。
(3)V3に電圧があり,V4に電圧がなく,ヒューズが断線していたので,原因はコネクタC~ヒューズ間の配線の短絡(地絡)と判断した。
ヒューズ溶断の原因は、ECUの不良でMKC配線に過電流が流れたものと思われます。
もしコネクタCとヒューズ間に地絡があるとすれば、V3の電圧は0になります。
(4)ポンプ・モータ・リレーの作動に異常がなく,V4電圧があり,V5に電圧がなかったので,原因はコネクタDからアースまでの回路に異常があると判断した。
リレーに問題がありません。
コネクタを含めたモータ両端の電圧も問題ありません。
結論として、コネクタ・モータ・アース間に問題があることになります。
この問題も時間がかかります。
変化球が来ても解けるように熟読熟知しておかなければならない事項です。
一級自動車整備士2007年03月【No.37】
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