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「クー」という異音

5速で走行中、車速が80km/hになると「クー」という異音が聞こえるので車内音を分析した結果、約775Hzの音が発生しているのを確認した。異音の原因として、適切なものは次のうちどれか。なお、車両の情報は以下の通りである。

・6気筒ガソリン・エンジン搭載のFR式マニュアル・トランスミッション車
・5速ギヤ比‥‥0.829
・終減速比‥‥4.875
・タイヤ有効半径‥‥0.356m
・クランプ・プーリ径とオルタネータ・プーリ径の比‥1:0.5
・ドライブ・ピニオンのギヤ歯数‥‥‥‥8

プロペラ・シャフト回転2次成分によるもの

排気系振動のエンジン回転3次成分によるもの

オルタネータの回転8次成分によるもの

ドライブ・ピニオンのギヤ噛合い2次成分によるもの







解説

選択肢(4)が適切です。

直感的に「クー」という異音といえば、ミッションやデフ系の騒音を思い浮かべる方も多いでしょう。

駆動軸回転数N[Hz]を求めてみます。

駆動軸回転数N[Hz] = 80[km/h]
2πr
× 1000
3600

          ≒ 9.94[Hz]

≒の印は”近似的に”という意味ですが、問題の性質上、精密計算を必要としませんの、大まかに取り扱っています。

これに終減速比を掛けてプロペラ・シャフトの回転数を求めます。

 9.94[Hz]×終減速比4.875≒48.46

ここからが、難解です。

プロペラ・シャフトが一回転する間に、

ドライブ・ピニオンのギヤがリング・ギヤに8回接触
します。

さらにその2次成分が「クー」という異音を発しています。

その振動周波数は、以下の通りになります。

48.46×8(ギヤ歯数)×2次成分=775[Hz].

(4)が正解になります。

他の成分を計算してみましょう。

エンジン回転数は、総減速比を掛けます。

9.94×(0.829×4.875)≒40.171[Hz]

プロペラ・シャフト回転数は、駆動軸回転数に最終減速比を掛けます。

9.94×4.875≒48.458[Hz]

プロベラ・シャフト回転数の2次成分は、これを2倍します。

48.458×2≒96.916[Hz]

エンジンの3次成分の振動は、

40.171×3≒120.513[Hz]

オルタネータは、エンジンの2倍で回転し、さらに8次成分ですから、

40.171×2×8≒642.8[Hz]

となります。

この問題をいきなり解きなさいといわれても、なかなかできないのが普通でしょう。

しかし、1級は解答時間が限られていますから、他の問題を解いてから、

この問題に時間をかける等、時間配分が必要になると思います。




一級自動車整備士2007年03月【No.40】


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