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コモン・レール式高圧燃料噴射システム

一級自動車整備士2004年3月出題問題

コモン・レール式高圧燃料噴射システムの燃料噴射制御に関するECUの働きとして、不適切なものは次のうちどれか。

エンジン回転速度や負荷の変化があっても噴射圧力が変動しないように、コモン・レール内の燃料圧力を常時一定に保つように制御している。

クランク角センサ及び気筒判別センサからの信号で気筒判別を行い、気筒ごとに圧縮行程から膨張行程での間にパイロット噴射とメイン噴射の噴射信号を出している。

各センサからの信号をもとに最適な噴射量及び噴射時期を計算し、EDU(エレクトロニック・ドライビング・ユニット)を介してインジェクタヘの通電時間及び通電時期を制御している。

吸入空気温度が低いとき及び冷却水温が低いときには噴射量の増量補正を行う。







解説

選択肢(1)が不適切です。


[1]コモン・レール圧力制御に関する問題。


アクセル開度とエンジン回転速度をもとに目標噴射圧を算出し、レール圧センサの検出値が目標値になるように、サプライ・ポンプのサクション・コントロール・バルブに信号を送り、サプライ・ポンプからコモン・レールへの燃料圧送量を制御します。

コモン・レール内の燃圧は、アイドリング時で約40MPaに調整され、基本的にエンジンの負荷や回転速度が高くなるほど、目標噴射圧も高くするようになっています。

したがって選択肢(1)

エンジン回転速度や負荷の変化があっても噴射圧力が変動しないように、コモン・レール内の燃料圧力を常時一定に保つように制御している。』

が不適切なのでこれが正解となります。

[2]パイロット噴射制御(pilot injection control)

コモンレール式高圧燃料噴射システムの圧縮工程の早い段階で噴射される補助的な噴射をいいます。黒煙およびNOxの排出低減ができます。

[3]エレクトリック・ドライビング・ユニット

コモン・レール式高圧燃料噴射システムでは、上の図のようにサプライ・ポンプで作られた高圧燃料をコモン・レールと呼ばれる高圧貯蔵室に蓄えており、エンジンの運転状態などを検出する各センサからの信号をもとにエンジンECUが最適な噴射量と噴射時期を決定し、エレクトリック・ドライビング・ユニット(EDU)を介して電磁式インジェクタに通電することにより燃料を噴射しています。

[4]各種補正
各センサからの信号により、次項について、メイン及びパイロットの燃料噴射量を補正します。

(イ)吸気温補正
 吸入空気温度が低いときは、空気密度が高くなるため増量します。
(ロ)暖気時増量補正
 冷却水温が低いときは増量し、冷間時の運転性を向上させています。

(ハ)吸気圧補正
 吸気圧力が低いときは、吸入空気量が少ないため減量します。


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