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2007年03月 問題38 モード・モータ問題
オート・エアコンの故障診断で、「モード・モータ系」を示すダイアグノーシス・コードを表示したので、図に示す回路で各端子の電圧を測定した。モード・モータ不良が考えられる電圧測定結果として、適切なものは次のうちどれか。
解説
2005年3月No.38が問題不適切でしたが、僅かな修正でそっくりそのまま出題されました。
不適切問題関連もキチンと学習しておかなければならない典型的な例です。
画像は循環装置のスリップ・リングです。参考程度に。
故障診断表
セグメント点灯場所 | 故障箇所 | 故障内容 |
L | モード・モータ | コードの断線・短絡 |
M | モード・モータ | モータ・ロック |
上の表のように、コードの断線・短絡と状態をひとくくりにしていますから、
故障詳細はわかりません。ましてやモータ単体の故障を判別することはできません。
ただ分かるのは、モード・モータというモジュールのモータ系の故障だということだけです。
モード・モータという呼び名はモータの単品の意味に解釈してしまいそうで誤解を招きますが、モード・モータモジュールというかユニット全体をさします。
(1)VENTモード時,V1に電圧がありV3に電圧がない場合
電源電圧5Vをスリップ・リングで地絡させたが、電圧 V1が存在しています。
MODE1の信号線のV1、V3間の断線が考えられます。 V1は0Vでなければなりません。
「モード・モータ不良が考えられる」という問いに対して、「VENTモード時、V1に電圧がありV3に電圧がない」という条件は、不適切です。
(2)B/Lモード時,V3に電圧がありV4に電圧がない場合
V3は端子開放ですから、電圧がありV4はS-COMに接地されますので、
電圧がない状態が正常です。
「モード・モータ不良が考えられる」という問いに対して、「(2)B/Lモード時,V3に電圧がありV4に電圧がない」という条件は、不適切です。
(3)HEAT,H/D,DEFモード時,V3に電圧がありV4に電圧がない場合
問題文は、何気にすらすらと書いてありますが、選択肢(3)には、更に三つの条件があります。ちゃんと整理して場合分けして判断しなければなりません。
1. HEAT時、V3に電圧がありV4に電圧がない場合 「モード・モータ不良が考えられる」
2. H/D時、V3に電圧がありV4に電圧がない場合 「モード・モータ不良が考えられる」
3. DEF時、V3に電圧がありV4に電圧がない場合 「モード・モータ不良が考えられる」
HEAT時のポイション・モード
1. HEAT時、V3に電圧がありV4に電圧がない場合 「モード・モータ不良が考えられる」
MODE1 V3 |
MODE2 |
MODE3 |
MODE4 |
|
VET | ||||
B/L | ||||
HEAT | Hi | Low | Low | Hi |
H/D | ||||
DEF |
HEAT時、V3に電圧がありV4に電圧がない場合は、正常状態です。故障ではありません。ですから不適切です。
2. H/D時、V3に電圧がありV4に電圧がない場合 「モード・モータ不良が考えられる」
MODE1 V3 |
MODE2 |
MODE3 |
MODE4 |
|
VET | ||||
B/L | ||||
HEAT | ||||
H/D | Low | Low | Hi | Hi |
DEF |
LowであるべきのV3に電圧が存在しています。
MODE1の端子はスリップ・リングで接地されいます。
それなのに電圧が存在している。
モード・モータ(系のセンサ系)の断線またはスリップ・リングと摺動部接点での接触不良です。
この時点でこの選択肢が”適切”となります。
3. DEF時、V3に電圧がありV4に電圧がない場合 「モード・モータ不良が考えられる」
MODE1 V3 |
MODE2 |
MODE3 |
MODE4 |
|
VET | ||||
B/L | ||||
HEAT | ||||
H/D | ||||
DEF | Low | Hi | Low | Hi |
LowであるべきのV3に電圧が存在しています。
それなのに電圧が存在している。
モード・モータ(系のセンサ系)の断線またはスリップ・リングと摺動部接点での接触不良です。
(4)VENT,H/D,DEFモード時,V2に電圧がある場合
これはECU不良が考えられます。
ECU内のアース回路、またはECUアース端子からボディーアース間のいずれかで、断線または過大抵抗になっているものと推定されます。
これも時間がかかる問題ですので、過去問題は、素早く解答できるように訓練しておかなければなりません。
1級は時間との戦いです。
早く正確に解く訓練を繰り返すしかありません。
一級自動車整備士2007年03月【No.38】
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