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複数条件の場合はキーワードの間にスペースを入れてください。2級ガソリン自動車整備士・試験問題
2G 登録試験 2022年03月 問題22
ABSに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。
解説
(1)ABSの電子制御機構に断線、短絡、電源の異常などの故障が発生した場合でも、ABSの電子制御機構は継続して作動する。
選択肢(1)が不適切です。
正しくは以下の通りです。
ABSの電子制御機構に断線、短絡、電源の異常などの故障が発生した場合は、 ABSの電子制御機構は作動せず、普通のブレーキ装置の制動作用となる。
ユーザーさんのクルマのエンジン回転中にABS警告灯が点灯したときは、ABSが正常に作動していないおそれがあります。
ユーザーさんは、すみやかに整備工場・販売会社さんで点検を受けなければなりません。
ABSに異常が発生したときは、ABS電子制御は作動しませんが、ABSのない普通のブレーキ性能は確保されています。
(2)エンジン始動後の発進時にゆっくりと加速した場合などに、静かな場所では、エンジン・ルームからABSのモータの作動音が聞こえる場合があるが、これはABSのイニシャル・チェックの音である。
選択肢(2)は適切です。
イニシャル・チェック(initial check)とは、初期点検のことで、ABSの各ソレノイド・バルブやモータを、走行初期に順次作動させて電気的なチェックを自動的に行うセルフ・チェックの一種です。
エンジンをかけた直後に「ガチッ」「ガチン」「ウィーン」と音がしますが、これがイニシャルチェック音です。
ABSは重要なブレーキ関係の部品ですので走行前にエンジンをかけてから一度だけ自動的に作動をさせてアクチュエーターが正常に動くか自己チェックをしますがそのときの音なのです。
(3)バッテリ上がりを起こした際などに、ブースタ・ケーブルを使用してエンジンを始動したあとに、一時的にABSのウォーニング・ランプが点灯する場合があるが、これはバッテリの電圧不足によるものである。
選択肢(3)は適切です。
(4)自己診断機能により、ABSの電子制御機構に起因する故障が検出されると、ウォーニング・ランプが点灯して運転者に故障の発生を知らせるとともにダイアグノーシス・コードを記憶する。
選択肢(4)も適切です。