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複数条件の場合はキーワードの間にスペースを入れてください。2級ガソリン自動車整備士・試験問題
2G 登録試験 2022年03月 問題02
ピストン・リングに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。
解説
(1)アンダ・カット型のコンプレッション・リングは、外周下面がカットされた形状になっており、一般にセカンド・リングに用いられている。
選択肢(1)は適切です。
ピストン・リングは、一般に上からトップ(コンプレッション)リング、セカンド(コンプレッション)リング、オイルリングの3本で構成されています。
トップ・リングは燃焼ガスが漏れないようにシール性を重視して丸みをおびたバレルフェイス等が用いられます。
そして、セカンドリングはそれに加えてシリンダー壁のオイルを掻き落としやすいようにアンダ・カット型のコンプレッション・リングやテーパーフェイス形状が採用されることが多いです。
【アンダ・カット(ナピアリング)の一例】
(2)ピストン・リングには、耐摩耗性、強じん性、耐熱性及びオイル保持性などが要求されるため、一般にコンプレッション・リングの材料はアルミニウム合金でオイル・リングはケルメット又はアルミニウム合金で作られている。
選択肢(2)が不適切です。
正しくは以下の通りです。
ピストン・リングには、耐摩耗性、強じん性、耐熱性及びオイル保持性などが要求されるため、一般にコンプレッション・リングの材料は特殊鋳鉄または炭素鋼でオイル・リングは炭素鋼で作られている。
ピストン・リングには、主に鋳鉄製とスチール(ステンレス鋼、シリコンクロム鋼、炭素鋼)製があります。
燃費向上やCO2発生量低減を目的としてエンジンの高性能化が図られる中、より強度や耐摩耗性が要求され、鋳鉄製からスチール製へと移行が進んでいます。
(3)スカッフ現象は、オイルの不良や過度の荷重が加わったとき、あるいはオーバヒートした場合などに起こりやすい。
選択肢(3)は適切です。
主にオイルの不良や想像以上の負荷が加わることにより、シリンダの油膜が切れてしまいオイルを介さずに直接リングがシリンダに接触して深い引っかき傷を付けてしまいます。
このスカッフ現象でシリンダ内の圧縮が抜けてしまうことは避けられないため、エンジン出力低下の原因となります。
最悪の場合は焼き付きを起こします。
(4)フラッタ現象が起きると、ピストン・リングの機能が損なわれ、ガス漏れによるエンジン出力の低下、オイル消費量の増大、リング溝やリング上下面の異常摩耗などが促進される。
選択肢(4)は適切です。