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複数条件の場合はキーワードの間にスペースを入れてください。2級ガソリン自動車整備士・試験問題
2G 登録試験 2023年10月 問題13
鉛バッテリに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。
解説
(1)ハイブリッド・バッテリは、正極にカルシウム(Ca)鉛合金、負極にアンチモン(Sb)鉛合金を使用している。
選択肢(1)が不適切です。
正しくは、以下の通りです。
ハイブリッド・バッテリは、正極にアンチモン(Sb)鉛合金、負極にカルシウム(Ca)鉛合金を使用している
(2)低アンチモン・バッテリは、低コストが利点であるがメンテナンス・フリー(MF)特性はハイブリッド・バッテリに比べて劣る。
選択肢(2)は、適切です。
低アンチモン・バッテリとハイブリッド・バッテリは普通バッテリと呼ばれるもので、定期的に液補充のメンテナンスが必要なバッテリです。
低アンチモン・バッテリはもう使用されている車はほとんどなく、ハイブリッド・バッテリは業務用の車や大型車に使用されています。
(3)制御弁式バッテリは、電解液の蒸発がないことから補水できない構造となっておりメンテナンスは不要である。
選択肢(3)も適切です。
鉛蓄電池は、蓄電池から発生するガスの対処方法等により2種類の構造に分けられます。
ひとつはベント形バッテリとよばれるもので、”液式電池”とよばれ、電解液の入った電槽(電解液と電極を入れる容器)に電極板が挿入されています。
鉛蓄電池発明当時から今日まで存在する構造の鉛蓄電池です
(ベント vent 通気孔)
ふたつめは、シール形(制御弁式バッテリ)とよばれるもので、電解液をガラス繊維などのマットに染み込ませたり、電解液をゲル化させるなどして密閉させた構造です。
流動する電解液がないので、”ドライ・バッテリ”と呼ばれることもあります。
制御弁式バッテリの特徴は、充電中に水の電気分解反応が起こっても、水素ガスの発生を抑え、発生する酸素ガスも負極板表面での化学反応により元の水に還元して電解液中に戻すため、水分が失われることがありません(電解液量が減らない)。
そのため、液量の点検や補水が不要です。(メンテナンスが不要)
(シール seal 密封)
(4)アイドリング・ストップ車両用のカルシウム・バッテリは、充電受入れ性能の向上に加え、深い充・放電の繰り返しへの耐久性も向上させている。
選択肢(4)も適切です。