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複数条件の場合はキーワードの間にスペースを入れてください。2級ガソリン自動車整備士・試験問題
2G 登録試験 2023年10月 問題01
ピストン・リングに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。
解説
(1)フラッタ現象が起きると、ピストン・リングの機能が損なわれ、ガス漏れによるエンジン出力の低下、オイル消費量の増大、リング溝やリング上下面の異常摩耗などが促進される。
選択肢(1)は、適切です。
フラッタ現象が起きると、ピストン・リングの機能が損なわれ圧縮漏れによる出力低下、オイル消費量の増大などが起こります。
(2)ピストン・リングには、耐摩耗性、強じん性、耐熱性及びオイル保持性などが要求されるため、一般にコンプレッション・リングの材料は特殊鋳鉄又は炭素鋼で、オイル・リングは炭素鋼で作られている。
選択肢(2)も適切です。
ピストン・リングの材質としては、耐熱性と耐摩耗性の面から、特殊鋳鉄及び炭素鋼などが用いられており、さらに、耐摩耗性を高めるためにクロムメッキなどの表面処理が施されているものもあります。
(試験範囲外:ピストン・リングは、かつては特殊鋳鉄や炭素鋼などを材料にして成型されていたのですが、最近はプレス鋼板製が増えているようです。)
(3)スカッフ現象は、オイルの不良や過度の荷重が加わったとき、あるいはオーバヒートした場合などに起こりやすい。
選択肢(3)も適切です。
スカッフ現象とは、シリンダ壁の油膜が切れてリングとシリンダ壁が直接接触し、リングやシリンダの表面にひっかき傷ができることをいいます。
(4)バレル・フェース型のピストン・リングは、吸入行程では、シリンダ壁面と線接触し、また、燃焼(膨張)行程では、高い面圧でシリンダ壁面に密着しており、一般にセカンド・リングに用いられている。
選択肢(4)が不適切です。
正しくは、以下の通りです。
バレル・フェース型のピストン・リングは、摺動面が円弧状になっているので、初期なじみの際の異常摩耗を防止できる特徴があり、トップ・リングに多く使用されている。
テーパーフェース型のピストン・リングは、摺動面がテーパになっているため、シリンダ壁には線接触となってなじみやすく、オイルをかき落とす性能と気密性に優れ、一般にセカンド・リングに使用されている。