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2級ガソリン自動車整備士・試験問題

2G 登録試験 2011年03月 問題26

ブレーキ装置に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

ディスク式ブレーキは、ドラム式ブレーキと比較して放熱効果がよい。

フェードとは、降坂時の連続的制動などの際に、過熱によりブレーキの効きが悪くなる現象をいう。

ベーパ・ロックとは、ブレーキ液が沸騰して配管内及びマスタ・シリンダやホイール・シリンダなどに気泡が生じ、ブレーキの効きが著しく悪くなる現象をいう。

ブレーキ液の沸点は、水分の吸収に大きく左右され、水分が吸収されるほど上昇する。


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解説

選択肢(4)が不適切です。

(1)ディスク式ブレーキは、ドラム式ブレーキと比較して放熱効果がよい。

この選択肢は、適切です。

ディスクブレーキのメリットですね。


(2)フェードとは、降坂時の連続的制動などの際に、過熱によりブレーキの効きが悪くなる現象をいう

この選択肢も、適切です。

原因は摩擦材が過熱し材料によって決まる温度より高くなると極端に摩擦係数が小さくなるためです。

ブレーキローターが熱くなり、またディスクパッド(摩擦材)も加熱されガスが発生し、そのガスがブレーキローターとディスクパッドの間に挟まるためです。

フェード(fade)の一般的意味としては「好ましい状態から後退する」という事で、次第に薄れる、衰える、消える、(色)あせるというような意味です。


(3)ベーパ・ロックとは、ブレーキ液が沸騰して配管内及びマスタ・シリンダやホイール・シリンダなどに気泡が生じ、ブレーキの効きが著しく悪くなる現象をいう。

この選択肢も適切です。

ベイパーvaporは蒸気(水蒸気)です。蒸気で気泡ができちゃうんですね。

泡はバブルbubbleですね。蒸気機関車の蒸気は湯気で steamです。

言葉が厄介ですな。

バブル時代、日本は絶頂期だったね。いまやその面影もありません。


(4)ブレーキ液の沸点は、水分の吸収に大きく左右され、水分が吸収されるほど上昇する。

選択肢(4)は不適切です。

正しくは以下の通りです。

ブレーキ液の沸点は、水分の吸収に大きく左右され、水分が吸収されるほど下降する。

ブレーキフルードの主成分であるエチレングリコールは空気中の水蒸気を吸収する性質をもっています。

長期間交換を怠ると性能が低下し、ベーパーロック現象が発生しやすくなります。

新品時の沸点をドライ沸点、劣化した状態をウエット沸点といいます。

一例ですがDOT3のドライ沸点205℃以上、ウエット沸点140℃以上です。

ブレーキ・フルードは人体にとって有害な液体なので、直接触れたりしてはいけません。

エチレングリコールは、毒物劇物取締法では非該当ですが、消防法・第四類第3石油類水溶性危険等級Ⅲに指定されています。

万が一、目や口に入った時は清水で洗い流し、炎症がないか皮膚科へ急ぎましょう。

また、車体についても腐食したりするので、扱いには細心の注意が必要です。

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