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2G 登録試験 2013年10月 問題14

エンジン・オイルの消費量が多くなる原因として、不適切なものは次のうちどれか。

潤滑装置のオイル・パンの取り付けの緩み。

バルブ・タイミングの狂い。

付属装置のPCVバルブの不良。

エンジン本体のバルブ・ステムの摩耗。







解説

選択肢(2)が不適切です。

エンジン・故障原因探求からの出題です。

エンジン・オイルの消費量が多い原因を考える問題です。

(1)潤滑装置のオイル・パンの取り付けの緩み。

この選択肢は、適切です。

潤滑装置系のエンジン・オイルが減っていく推定原因には、

①オイル・フィルタの取付けの緩み、オイル・シール又はOリング不良

②オイル・パンのドレーン・プラグの緩み又はパッキン不良

オイル・パンの取付け緩み又はパッキン不良

④オイル・パイプの接続緩み又はパイプ亀裂

があります。

(2) バルブ・タイミングの狂い。

この選択肢が、不適切です。

バルブ・タイミングが不適切で、エンジン・オイルが減ることは考えにくい。

バルブ・タイミングの狂いで生じる故障現象には以下のものがあります。

①エンジンの始動困難(スタータは正常)

②アイドリング又は低速回転が円滑でない

③出力不足及び高速不調

(3) 付属装置のPCVバルブの不良。

この選択肢は、適切です。

PCVバルブが固着(バルブが開放された状態で固定)すると、ブローバイガス(ピストンとシリンダーの隙間からクランクケース内に吹き抜けるガス)に含まれる油煙(オイルミスト)がインレット・マニホールドに吸い込まれ燃焼室内でオイルが燃え白煙が出ます。

PCVバルブは、ワンウェイバルブですから、何か(スラッジ:汚泥)が詰まりワンウェイ効果がなくなり開きっぱなしなるとエンジン・オイルが減ります。

逆にPCVバルブが詰まるとブローバイ・ガス圧が高くなり、このガスを抜かないとクランクケース内の圧力が上がってオイルレベルゲージが飛び出したり、内圧でオイルシールからオイル漏れを起こしたりします。

最新のエンジンのオイル交換サイクルが1万kmとか2万km以上となっているのは、ブローバイガスの処理性能およびクランクケースベンチレーション(エンジン内の換気)性能向上によることがその理由だと思います。

これらの技術向上によりエンジン・オイルが汚れにくくかつ減らないようになってきています。

(4) エンジン本体のバルブ・ステムの摩耗。

この選択肢は、適切です。

長いこと走っていると、あちこちがたがきて、エンジンの上のバルブ系も摩耗し、オイルが減ります。

バルブ・ステムの摩耗もありますが、何らかの原因でバルブがびしっと閉じなくなってもオイルが減りますので、エンジン・ヘッド系の洗浄などもオイル減りの対策になります。

余談ですが、某メーカーにメンテナンス・パックがありますが、エンジン・オイルの交換条件があります。

ガソリン車(ターボ車除く)は、

①標準交換時      15,000km、または1年

②シビアコンディション 7,500km、または6ヶ月

となっています。

年間に15,000km以上走行する場合は、年1回のエンジン・オイル交換では、メンテ・パックの補償の条件を満たしません。

このような場合は、7,500km以下、または6ヶ月以内に1回、エンジン・オイルの交換を自費でキチンとしていなければ後々のメンテ・パック無料補償の対象になりません。

各種部品の摩耗などでエンジン・オイルの減りが多くなった場合は、ディーラーの判断で、無償で新しいエンジンに交換する場合もあります。

ただし、走行条件・交換時期で前述のメンテの規定条件を満たしている場合のみです。

実際問題、このような条件になるのは、車を長年使用したり、相当の距離を走ったりしていますから、ちょうどメンテ契約が切れかけた頃にエンジンの調子が悪くなるものです。

あちこち車にがたがきているものです。

メンテ補償で、エンジン交換した後に次々に別な部品も壊れてきて結局高くつくことも考えられますので、今の車を継続したほうがいいのか、新しい車を買うかそろばんをはじくことになります。

どのような乗り方をした方が得か、損益分岐点を探ることになります。

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