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2G 登録試験 2016年03月 問題15

鉛バッテリに関する記述として、適切なものは次のうちどれか。

コールド・クランキング・アンペア(CCA)の電流値が大きいほど始動性が良いとされている。

バッテリの容量は、電解液温度20℃を標準としている。

バッテリの容量は、放電電流が大きいほど大きくなる。

電解液は、比重約1.320のものが一番凍結しにくく、その氷点は―60℃付近である。







解説

選択肢(1)が適切です。


(1)コールド・クランキング・アンペア(CCA)の電流値が大きいほど始動性が良いとされている。

この選択肢が適切です。

コールド・クランキング・アンペアとは、-18℃の気温の中で、満充電のバッテリーが、30秒後に7.2Vになる放電電流です。

マリン・クランキング・アンペアと同じく、瞬発力を示す数値として欧米で広く用いられています。
マリン・クランキング・アンペアとは、―1.1℃の気温の中で、満充電のバッテリーが、30秒間に7.2Vになる放電電流です。
バッテリーの瞬発力を示す数値で、エンジン始動時など重要です。

CCAは、実測定においては、外気温を-17.8度にして計測することはできないので、実験結果からバッテリー内部の電気伝導率(Conductance)を測定しCCA値を導き出しています。

よって、実際に7.2Vまで電圧を低下させ放電させることは無いのでバッテリーに負担をかけることがありません。


(2)バッテリの容量は、電解液温度20℃を標準としている。

この選択肢は、不適切です。
正しくは以下の通りです。

バッテリの容量は、電解液温度25℃を標準としている。


(3)バッテリの容量は、放電電流が大きいほど大きくなる。

この選択肢は、不適切です。
正しくは以下の通りです。
バッテリの容量は、放電電流が大きいほど小さくなる。



完全充電したバッテリを5時間率放電する場合に、取り出すことができる電気量を100%とすると、3時間率放電で放電する場合は、放電電圧の低下速度が速く電気量は85%しか取り出すことができません。さらに、1時間率放電で放電する場合は、電気量は65%しか取り出すことができないのです。時間率(放電率)の数値が小さいということは、放電電流値が大きいという意味で、このばあいは取り出せる電気量、すなわち容量は小さくなり、時間率(放電率)の数値が大きいということは、放電電流値が小さく容量が大きくなるということを表しています。


つまり、容量は、放電電流値に依存するわけです。


ここは、なかなか分かりにくい内容なので、きちんと整理整頓しないと混乱します。

容量の単位は、Ahですね。
電流と時間を掛け合わせたものです。

容量のことを電力とは、ひとこともいっていないのです。

電力を議論するには、電圧が必要です。

あくまでも、放電電流の大小が問題、放電時間の大小で容量が変動するということを押えておけば良いでしょう。


(4)電解液は、比重約1.320のものが一番凍結しにくく、その氷点は―60℃付近である。

この選択肢は、不適切です。
正しくは以下の通りです。

電解液は、比重約1.290のものが一番凍結しにくく、その氷点は―73℃付近である。

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