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2級ガソリン自動車整備士・試験問題

2G 登録試験 2021年03月 問題30

図に示すタイヤと路面間の摩擦係数とタイヤのスリップ率の関係を表した特性曲線図において、「路面の摩擦係数が高いブレーキ特性曲線」として、AからDのうち、適切なものは次のうちどれか。

A

B

C

D


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解説

選択肢(1) Aが適切です。

題意より 路面の摩擦係数が高い とありますので、摩擦係数の数値が大きいものが答えとなります。

【Slip Ratioの一例】

おおざっぱですが、

それぞれのカーブのスリップ率20%あたりが摩擦係数が大きくなるものがあります。

余談です。

進行方向の摩擦係数がμx、旋回時の横方向の摩擦係数がμyです。

スリップ率0%は、車輪速度=車体速度ですので、すなわち、 車輪(タイヤ)がロックすることなく、路面を転がっている状態です。

スリップ率100%は、車輪速度がゼロになっている状態です。つまり、車輪 (タイヤ)が完全にロックしていることです。これは、滑り易い路面で急ブレーキ を踏むと起りやすくなります。

ついでに、スリップ率が-(マイナス)になることもあります。これは、車輪速度>車体速度の場合です。具体的には、 発進時にアクセルを目一杯踏込み、タイヤが空回りする時です。

上の図がいかに恐ろしいことを物語っているかと言うのは、スリップ率100%の場合を考えますと、制動力はピーク時よりも 若干小さくなりますが、コーナリングフォース(青点線)は何とほぼゼロです。これは ブレーキはそれなりに効くが、操舵性や方向安定性は全くないということです。これは、本当に恐ろしい状態であることを示しています。

最適な制動力と操舵性・方向安定性を同時に確保すには、スリップ率20%がいんじゃないかという風になっているわけです。

車体が100km/hで動いていて、タイヤが(本来なら)80km/hで走るはずの速度で回転している場合、スリップ率S=(100−80)÷100=0.2なので、スリップ率は20%ということになります。

この場合「タイヤと地面の間」にスリップが生じているのかというと、必ずしもそうではありません。

タイヤが(地面と車輪の速度差で)引っ張られて変形した部分だが、タイヤは常に引き伸ばされた状態で地面に接するため、タイヤがまったく変形しない場合よりも1回転あたりに進む距離が長くなります。

これを「タイヤの変形による滑り」いいます。

ABSでは、「タイヤの変形による滑り」を考慮し「タイヤと地面の間の滑り」を算出し制御しています。

詳しく調べるとなかなか面白い技術ですが、試験には出ませんので、時間があるときや合格後に詳しく勉強してください。

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