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複数条件の場合はキーワードの間にスペースを入れてください。2級ガソリン自動車整備士・試験問題
2G 登録試験 2015年10月 問題17
図に示す前進4段のロックアップ機構付き電子制御式AT(4速時がオーバ・ドライブ状態)の各段におけるクラッチとブレーキの締結の仕方に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
解説
選択肢(4)が適切です。
シャシ編・動力伝達装置からの出題です。
(1)1速時は、リバース・クラッチ、ロー・リバース・ブレーキが締結される。
不適切です。
1速時は、オーバラン・クラッチとロー・リバース・ブレーキが締結です。
(2)2速時は、ハイ・クラッチ、バンド・ブレーキが締結される。
不適切です。
2速時は、オーバラン・クラッチとバンド・ブレーキが締結します。
(3)3速時は、オーバラン・クラッチ、バンド・ブレーキが締結される。
不適切です。
3速時は、オーバラン・クラッチとハイ・クラッチが締結です。
(4)4速時は、ハイ・クラッチ、バンド・ブレーキ締結される。
適切です。
クラッチとブレーキの締結状態です。
ロー・リバース・ブレーキ | オーバラン・クラッチ | バンド・ブレーキ | ハイ・クラッチ | |
1速 |
● | ● | ||
2速 |
● | ● | ||
3速 |
● | ● | ||
4速 |
● | ● |
【平成11年初版本を参考:一覧表は、ワンウェイ・クラッチを省略した締結を表しています。】
平成29年版初版本から、ワンウェイ・クラッチを含めた締結の説明に変更され、ワンウェイ・クラッチを含む場合の締結はテキストを参照してください。
まずは、(フロント)プラネリ・ギヤ・ユニットを単品で考えてみます。
プラネタリ・キャリヤの見かけ上の歯数は、サン・ギヤとインターナル・ギヤの歯数を足したものです。
増速(オーバ・ドライブ状態)は、歯数の大きいギヤが歯数の少ないギヤを回した場合に実現します。
サン・ギヤ固定でプラネタリ・キャリヤが入力、インターナル・ギヤが出力の場合です。
ブレーキ・バンド作動で、フロント・サン・ギヤ固定です。
フロント・プラネタリ・キャリアに入力が加わり、フロント・インターナル・ギヤが回り、これがリア・プラネタリ・キャリアに伝わります。
リヤ・プラネタリ・キャリヤはすなわち出力軸です。
このとき、次の三つが作動しています。
①フォワード・クラッチ(旧テキスト)
②ハイ・クラッチ
③ブレーキ・バンド
リヤ・インターナル・ギヤがフォワード・クラッチより速く回転しているため、フォワード・ワンウェイ・クラッチが空転し、フロントに回転は伝わりません。