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2G 登録試験 2018年10月 問題12
オルタネータのステータ・コイルの結線方法において、スター結線(Y結線)とデルタ結線(三角結線)を比較したときの記述として、不適切なものは次のうちどれか。
解説
選択肢(4)が不適切です。
(4) スター結線の方が最大出力電流の値が大きい。
正しくは、以下の通りです。
デルタ結線の方が最大出力電流の値が大きい。
デルタ結線の線電圧VL、相電圧Vp、線電流IL、相電流Ipの関係を示します。
VL=Vp
IL=√3・Ip
この式は、極めて重要であり、線電流ILは相電流Ipの√3であることを意味します。
(4)の説明としては、これだけで十分ですが更に述べます。
スター結線とデルタ結線の発生電圧と電流を比較します。
コイルの一個当たりの電圧と電流を3相倍、すなわち√3して比べます。
Vp=10V、Ip=10Aとします。
スター結線では、
電圧:√3Vp×3個
=1.732×10×3=51.96V
電流:IL=Ip
=10A
デルタ結線では、
電圧:10×3=30V
電流:√3Ip
=1.732×10=17.32A
スター結線は、低速回転で√3Vpが利いていて充電が容易です。
すなわち、スター結線は、低速回転で高電圧低電流を発生します。
デルタ結線は、高回転で√3Ipが利いてきて高電流を発生するので高出力になります。
すなわち、デルタ結線は、高速回転で低電圧高電流を発生します(高回転で電圧が安定する)。
もちろん、この両者のメリットを組み合わせたものもあるでしょうが、スター結線が一般的です。
(1)スター結線の方が低速時の出力電流特性に優れている。
この選択肢は適切です。
(2)スター結線の方がステータ・コイルの結線は簡単である。
この選択肢も適切です。
(3) スター結線には中性点がある。
この選択肢も適切です。
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