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2G 登録試験 2014年10月 問題08
図に示すトランジスタの電流増幅回路において、電流増幅率が25のとき、定格電圧12Vのランプを定格点灯させるために必要なベース電流の最小値として、適切なものは次のうちどれか。ただし、バッテリ及び配線等の抵抗はないものとする。
解説
選択肢(3)が適切です。
エンジン編・電気装置からの出題です。
分かっている情報は、コレクタ側のランプの電力と、電流増幅率が25、最後に電源で電圧が12Vということです。
トランジスタTrがON状態のとき、電源電圧12Vが、ランプ両端電圧にかかるといってよいでしょう。
厳密には、エミッタ・コレクタ間電圧Vecは、わずかな電位差が現れますが、ここでは無視することになっております。
さて、ランプ両端の電圧が12V、ランプ電力が6Wですから、電力の計算式
P = V × I
を変形すると、
I = P/V
となりますから、
6/12 = 0.5
= 500mA
となります。
ランプはコレクタ端子に直列接続されています。
すなわち、ランプ電流がコレクタ電流 Icということになります。
電流増幅率が25であるから、ベース電流 Ibを25倍したものがコレクタ電流 Icになっているわけです。
逆に言えば、コレクタ電流 Icを 1/電流増幅率 倍してあげれば、ベース電流 Ibを知ることができるわけです。
実際に計算してみますと、
500mA/25 = 20mA(ミリアンペア)
となります。
したがって、選択肢(3)が適切ということになります。
余談です。
なんでこんなことをするのでしょうか。
小電流 Ibで大電流Icをコントロールできるからです。
制御自体は、省エネがいいに決まっています。
しかし、実際には光るだけの大きな電流、モータが回るだけの大きな電流が必要です。
逆に、十分に光るだけの大きな電流でON・OFFのコントロールを行うことは、危ないし、エネルギーの無駄です。
コントロール信号と実際に動かす対象にかけるエネルギーを分離することが重要なわけです。
制御については小信号(小電流)、アクチュエータに関しては中・大電流と電流の大きさによって使い分けをしているわけです。
それで、トランジスタは重要だというわけです。
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