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2級ガソリン自動車整備士・試験問題

2G 登録試験 2021年10月 問題33

鋼の熱処理に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。

焼き戻しとは、焼き入れした鋼をある温度まで加熱した後、徐々に冷却する操作をいう。

浸炭とは、鋼の表面層の炭素量を増加させて軟化させる操作をいう。

窒化とは、鋼を浸炭剤の中で焼き入れ、焼き戻し操作を行う加熱処理をいう。

高周波焼き入れとは、高周波電流で鋼の表面層から内部まで全体を加熱処理する焼き入れ操作をいう。


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解説

(1)焼き戻しとは、焼き入れした鋼をある温度まで加熱した後、徐々に冷却する操作をいう。

選択肢(1)が適切です。

焼入れによって鋼の組織は硬くなりますが、そのままではもろく、割れなどが生じやすい状態です。

焼戻しとはそこからさらに再加熱して硬さを調整しながら、粘りや強靭性を高める作業です。

基本的に焼入れと焼戻しはワンセットで行い、硬くて丈夫な製品づくりに生かします。

(2)浸炭とは、鋼の表面層の炭素量を増加させて軟化させる操作をいう。

選択肢(2)は不適切です。

正しくは以下の通りです。

浸炭とは、鋼の表面層の炭素量を増加させて硬化させる操作をいう。

浸炭とは、炭素含有量の少ない鋼を浸炭剤中で加熱処理し、炭素を鋼の表面に拡散して炭素量を増加させることいいます。

炭素は鋼を焼入れするのに不可欠の元素で、その含有量が多いほど高い焼入れ硬さが得られます。

浸炭処理した鋼を焼入れすると、表面は硬く耐摩耗性が得られ、内部は硬さが低いため高靭性じんせいが得られます。

【靭性:材料の粘りの強さ】

(3)窒化とは、鋼を浸炭剤の中で焼き入れ、焼き戻し操作を行う加熱処理をいう。

選択肢(3)も不適切です。

正しくは以下の通りです。

窒化とは、鋼の表面層に窒素を染み込ませて硬化させる操作をいう。

窒化処理とは、鋼の表面に窒素を染み込ませ硬くする方法の総称です。

窒化処理は、熱処理による寸法の変化が小さく、低温で処理を行うため歪や変形が少ないことが特長です。

窒化処理を行うことで窒素を含む窒化層が作られ、耐摩耗性にすぐれ浸炭層と比較した場合、数倍の強度を持つといわれています。

(4)高周波焼き入れとは、高周波電流で鋼の表面層から内部まで全体を加熱処理する焼き入れ操作をいう。

選択肢(4)も不適切です。

正しくは以下の通りです。

高周波焼き入れとは、高周波電流で鋼の表面層を加熱処理する焼き入れ操作をいう。

高周波焼入れとは、金属材料を硬化させる目的の処理のことで、高周波の誘導電流を活用し金属材料の表面部分に急速に熱を加え、その後急速に冷やして加工します。

高周波焼入れは、表面の2〜3mm部分にのみ熱を加えるため、外側が硬くなるのに対し内部には柔軟性が残ります。

そのため、歯車やドライブシャフトなど、耐摩耗性が必要になる部品に適している特徴があります。

2G 登録試験 2021年10月 問題33

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材料の熱処理

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