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複数条件の場合はキーワードの間にスペースを入れてください。2級ガソリン自動車整備士・試験問題
2G 登録試験 2021年10月 問題20
CAN通信システムに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。
解説
(1)終端抵抗を2個用いているCANの場合、そのうち1個の終端抵抗が断線した場合は、すべての通信が停止する。
選択肢(1)が不適切です。
正しくは以下の通りです。
終端抵抗を2個用いているCANの場合、そのうち1個の終端抵抗が断線しても通信は継続されるが、帯ノイズ性は低下する。
更には、ダイアグノーシス・コードが出力されることもあるため、点検を確実に行います。
標準のCANバスには、バスの両端に120オームの終端抵抗があります。
これは、デジタルデータ通信によって引き起こされる反射を回避するために必要なものです。
終端抵抗は「電気のショックアブソーバー」として機能し、正しく取り付けられていないと、デジタル信号がデータバスの端で「跳ね返り」、ノイズの多い反射を引き起こし、CANバスのパフォーマンスに大きな影響を及ぼします。
【CANバス終端抵抗器120オームの一例】
抵抗が一本入っています。
(2)CAN-Hが3.5V、CAN-Lが1.5Vの状態をドミナントという。
選択肢(2)は適切です。
電圧差が重要で、3.5-1.5=2Vで差分電圧です。
(3)各ECUは、各センサの情報などをデータ・フレームとして、バス・ライン上に送信(定期送信データ)している。
選択肢(3)は適切です。
定期送信しています。
(4)CAN通信は、一つのECUが複数のデータ・フレームを送信したり、バス・ライン上のデータを必要とする複数のECUが同時にデータ・フレームを受信することができる。
選択肢(4)も適切です。
CANは高速ですがコストが高いため、LIN(Local Interconnect Network)と使い分けします。LINは動力伝達制御やシャシ制御ほど通信速度、信頼性を必要としないセンサやアクチュエータなどの制御の通信に用いられています。