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2級ガソリン自動車整備士・試験問題

2G 登録試験 2023年03月 問題26

エアコンに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

サブクール式のコンデンサでは、レシーバ部でガス状冷媒と液状冷媒に分離して、液状冷媒をサブクール部に送り、更に冷却することで冷房性能の向上を図っている。

エキスパンション・バルブは、エバポレータ内における冷媒の液化状態に応じて噴射する冷媒の量を調節する。

ハイブリッド自動車や電気自動車(EV)などに用いられている電動式コンブレッサは、一般にスクロール式が採用されている。

リヒート方式では、ヒータ・コアに流れるエンジン冷却水の流量をウォータ・バルブによって変化させることで、吹き出し温度の調整を行う。


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解説

(1)サブクール式のコンデンサでは、レシーバ部でガス状冷媒と液状冷媒に分離して、液状冷媒をサブクール部に送り、更に冷却することで冷房性能の向上を図っている。

選択肢(1)は、適切です。

従来のレシーバ・サイクルでは、気化冷媒を、100%液化することが出来ず、一部に気化冷媒のまま送り出されます。

サブクール式では、残った一部の気体を100%に近く、再液化することができるため冷房性能を高められます。

このためサブクール式では、レシーバ・タンクは無くコンデンサの横に、筒状の気液分離機・モジュレータ(教科書ではレシーバ)が、装着されています。

(2)エキスパンション・バルブは、エバポレータ内における冷媒の液化状態に応じて噴射する冷媒の量を調節する。

選択肢(2)が不適切です。

正しくは以下の通りです。

エキスパンション・バルブは、レシーバを通ってきた高温・高圧の液状冷媒を、細孔から噴射させることにより、急激に膨張させて、低温・低圧の霧状の冷媒にする。

(3)ハイブリッド自動車や電気自動車(EV)などに用いられている電動式コンブレッサは、一般にスクロール式が採用されている。

選択肢(3)は適切です。

試験外ですが、上の作動図はインジェクションポート付スクロール・コンプレッサです。

ガソリン・エンジンでの暖気は排熱を利用しましたが、電気自動車はそれはできなくなり、暖房をつけると走行距離が減ります。

インジェクションとは、一度圧縮した冷媒の一部を再び圧縮させるためにコンプレッサに戻すことをいいます。

これで、暖房効率が向上しより広い寒冷地でも電気自動車やハイブリッド車が利用でき、走行距離の減少を少なくすることができます。

スクロール scroll とは、蚊取り線香のような渦巻きのことで、巻物、巻くといったような言葉です。

スクロール・コンプレッサの特徴は、バルブが不要でトルク変動が少なく、音・振動が飛びぬけて小さい、効率が良い、省スペースです。

(4)リヒート方式では、ヒータ・コアに流れるエンジン冷却水の流量をウォータ・バルブによって変化させることで、吹き出し温度の調整を行う。

選択肢(4)も適切です。

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