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複数条件の場合はキーワードの間にスペースを入れてください。2級ガソリン自動車整備士・試験問題
2G 登録試験 2023年03月 問題22
CAN通信に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。
解説
(1)一端の終端抵抗が断線していても通信はそのまま継続されるが、耐ノイズ性は低下する。
選択肢(1)は、適切です。
試験外のはなしです。
断線していても通信はそのまま継続されるのは、低速CANです。
高速CANでは、終端抵抗が無いと反射が激しく、本来の信号がノイズに埋もれて高速通信はできません。
低速CANは、通信線に問題が発生した場合、シングル・ワイヤ・モードに切り替わり単線にて通信を行うことが可能です。
これは通信線が自動車の内外に配置される場合があるため、 フォールト・トレランス(システムや機器の一部が故障しても、予備の系統に切り替えて機能を保ち、正常に稼働させ続ける仕組み)が設定されているためです。
フォールト・トレランスは、fault フォールト 故障 tolerance トレランス 耐性 がある、という意味です。
フォールト・トレランスとは、システム故障時に機能を制限せず、停止することなく動作するシステムのことです。
フォールト・トレランスに似たような用語に、フェール・セーフがあります。
フェール・セーフは、fail フェール 失敗 しても safe セーフ 安全 を優先させる、という意味です。
フェール・セーフとは、システム故障時に安全を優先するためにシステムを止める設計のことです。
(2)複数のECUが同時に送信を始めてしまった場合には、データ・フレーム同士が衝突してしまうため、各ECUは、アイデンティファイヤ・フィールドにより優先度が高いデータ・フレームを優先して送信する。
選択肢(2)も適切です。
アイデンティファイヤ identifier は、識別子です。
(3)各ECUは、各センサの情報などをデータ・フレームとして、バス・ライン上に送信(定期送信データ)している。
選択肢(3)も適切です。
(4)CAN通信は、一つのECUが複数のデータ・フレームを送信したり、バス・ライン上のデータを必要とする複数のECUが同時にデータ・フレームを受信することができない。
選択肢(4)が不適切です。
正しくは以下の通りです。
CAN通信は、一つのECUが複数のデータ・フレームを送信したり、バス・ライン上のデータを必要とする複数のECUが同時にデータ・フレームを受信することができる。
CAN通信の問題は、簡単な問題が過去に出尽くしてしまい、今回のような難易度が高くなった感があります。