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複数条件の場合はキーワードの間にスペースを入れてください。2級ガソリン自動車整備士・試験問題
2G 登録試験 2023年03月 問題01
コンロッド・ベアリングに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。
解説
コンロッドはコネクティング・ロッド(連接棒)とも呼ばれ、エンジン燃焼室で燃料を燃焼することで発生するピストンの往復運動をクランク・シャフトの回転運動に変換するという役割を果たしています。
さて、コンロッド・ベアリングは、ピストンとクランクシャフトを接続するコンロッドに用いられる軸受けパーツです。
コンロッド・ベアリングは、コンロッドとクランクシャフトの間にあり、ピストンとコンロッドの往復運動の際に発生するクランクシャフトとコンロッドの間の摩耗や熱から各部品を守る役割を担っています。
(1)アルミニウム合金メタルのうち、すずの含有率が高いものは、低いものに比べてオイル・クリアランスを大きくしている。
この選択肢は適切です。
すずの含有率の高いものはなじみ性や耐摩耗性に優れていますが、熱膨張率が大きいので、オイル・クリアランスを大きくとる必要があります。
アルミニウム合金メタルは、アルミニウムに10~20%のすずを加えた軸受け合金です。
ホワイト・メタルや銅系のメタルに比較して、耐荷重が大きく、耐食性、耐疲労性に優れ、許容温度も高いことが特徴です。
すず、アルミニウムは、銅に比べて線膨張係数が大きいです。
(2)トリメタル(三層メタル)は、銅に20%~30%の鉛を加えた合金(ケルメット・メタル) を鋼製裏金に焼結し、その上に鉛とすずの合金又は鉛とインジウムの合金をめっきしたものである。
選択肢(2)も適切です。
インジウム $\ce{_49In}$は、色調、耐食性、展延性など多くの点で、すずに似た金属で、融点も157℃と低いです。
また、金属の中では最も柔らかいことから、軸受けの潤滑性の改善に利用されています。
(3)クラッシュ・ハイトが小さ過ぎると、ベアリングにたわみが生じて局部的に荷重が掛かるので、ベアリングの早期疲労や破損の原因となる。
選択肢(3)が不適切です。
正しくは以下の通りです。
クラッシュ・ハイトが大き過ぎると、ベアリングにたわみが生じて局部的に荷重が掛かるので、ベアリングの早期疲労や破損の原因となる。
(4)コンロッド・ベアリングの張りは、ベアリングを組み付ける際、圧縮されるに連れてベアリングが内側に曲がり込むのを防止するためのものである。
選択肢(4)は、適切です。
張りとは、組付けの際にハウジングへなじませたり脱落防止の機能を持ちます。