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複数条件の場合はキーワードの間にスペースを入れてください。2級ガソリン自動車整備士・試験問題
2G 登録試験 2023年03月 問題07
吸排気装置における過給機に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
解説
過給には排気のエネルギを利用するターボ・チャージャと、クランクシャフトの回転を動力とするスーパ・チャージャの2タイプがあります。
ターボ・チャージャは、カタツムリ形のハウジングの中に回転軸を同じくする大小一対の風車のようなベーンが入っ ています。
小さいほうは排気の流速で回転するタービンです。
大きいほうはタービンの回転軸に回されるコンプレッサで、吸入空気を圧縮します。
スーパ・チャージャは、クランクシャフトの回転がベルトによって伝えられ、コンプレッサ・ロータが稼働します。
ターボ・チャージャのタービン回転数が約10万回転にも達するのに対し、スーパチャージャはわずかに増速されるだけです。
(1)ルーツ式のスーパ・チャージャには、過給圧が高くなって規定値以上になると、過給圧の一部を排気側へ逃がし、過給圧を規定値に制御するエア・バイパス・バルブが設けられている。
選択肢(1)は、不適切です。
正しくは以下の通りです。
2葉ルーツ式のスーパ・チャージャでは、過給圧が規定値になると、過給圧の一部を吸入側へ逃がし、過給圧を規定値に制御するエア・バイパス・バルブが設けられている。
(2)一般に、ターボ・チャージャに用いられているシャフトの周速は、フル・フローティング・ベアリングの周速の約半分である。
選択肢(2)も不適切です。
正しくは以下の通りです。
一般に、ターボ・チャージャに用いられているフル・フローティング・ベアリングの周速は、シャフトの周速の約半分である。
(3)ターボ・チャージャは、過給圧が高くなって規定値以上になると、ウエスト・ゲート・バルブが閉じて、排気ガスの一部がタービン・ホイールをバイパスして排気系統へ直接流れる。
選択肢(3)も不適切です。
正しくは以下の通りです。
ターボ・チャージャは、過給圧が高くなって規定値以上になると、ウエスト・ゲート・バルブが開いて、排気ガスの一部がタービン・ホイールをバイパスして排気系統へ直接流れる。
(4)スーパ・チャージャの特徴として、駆動機構が機械的なため作動遅れは小さいが、各部のクリアランスからの圧縮漏れや回転速度の増加とともに、駆動損失も増大するなどの効率の低下があげられる。
選択肢(4)は、適切です。
スーパ・チャージャの主なデメリットは、エンジンが高回転になった場合、過給機への負荷が高くなります。
過給機への負荷がかかった状態では、パワーが発揮できなくなります。
特に日本では、エンジンの小型化が進み、場所(エンジンスペース)をとるスーパ・チャージャを避ける傾向があります。