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2級ガソリン自動車整備士・試験問題
2G 登録試験 2025年10月 問題06
シリンダヘッドとピストンで形成されるスキッシュエリアに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。
(1) スキッシュ・エリアの面積が大きくなるほど混合気の渦流の流速は高くなる。
(2) 斜めスキッシュ・エリアは、斜め形状により吸入通路からの吸気がスムーズになり、強い渦流の発生が得られる。
(3) スキッシュ・エリアによる渦流は、燃焼行程における火炎伝播の速度を低くし、混合気の燃焼時間を延長することで最高燃焼ガス温度の上昇を促進させる役目を担っている。
(4) スキッシュ・エリアの厚み(クリアランス)が小さくなるほど混合気の渦流の流速は高くなる。
解説
(1)スキッシュ・エリアの面積が大きくなるほど混合気の渦流の流速は高くなる。
選択肢(1)は、適切です。
(2)斜めスキッシュ・エリアは、斜め形状により吸入通路からの吸気がスムーズになり、強い渦流の発生が得られる。
選択肢(2)も適切です。
(3)スキッシュ・エリアによる渦流は、燃焼行程における火炎伝播の速度を低くし、混合気の燃焼時間を延長することで最高燃焼ガス温度の上昇を促進させる役目を担っている。
選択肢(3)が、不適切です。
正しくは、以下の通りです。
吸入混合気に渦流を与えて、燃焼行程における火炎伝播の速度を高く(速く)し、混合気の燃焼時間を短縮することで最高燃焼ガス温度の上昇を抑制する役目を担っている。
(4)スキッシュ・エリアの厚み(クリアランス)が小さくなるほど混合気の渦流の流速は高くなる。
選択肢(4)は、適切です。
余談(試験にはでませんの省略可)
スワール流・タンブル流・スキッシュ流は、圧縮上死点(TDC)付近で同時に発生し得る現象です。
ただし、それぞれの流れの発生メカニズムや役割には違いがあり、設計によって強調される流れが異なります。
各流れの概要と発生タイミング
| 流れの種類 | 発生タイミング | 主な発生源 | 役割 |
|---|---|---|---|
| スワール流(Swirl) | 吸気時〜圧縮時 | 吸気ポートの形状・バルブ配置 | 混合気の均一化、燃焼促進 |
| タンブル流(Tumble) | 吸気時〜圧縮時 | 吸気ポートと燃焼室形状 | 燃焼室内の縦方向渦で乱流促進 |
| スキッシュ流(Squish) | 圧縮上死点直前〜点火時 | ピストンとシリンダヘッドの隙間 | 高速流で乱流を強化、燃焼速度向上 |
同時発生のメカニズム
- 吸気工程でスワールやタンブルが形成され、圧縮工程でそれらが強化されます。
- 圧縮上死点付近では、ピストンがシリンダヘッドに近づくことでスキッシュ流が発生し、既存のスワール・タンブルに乱流エネルギーを加えます。
- つまり、TDC付近ではこれらの流れが重なり合い、相互に影響しながら燃焼促進に寄与します。
設計による違い
- 高速回転型エンジンではタンブル流を重視する傾向があります。
- ディーゼルや直噴ガソリンではスワール流が重要視されることも。
- スキッシュは特に点火直前の乱流強化に効果的で、ノッキング抑制にも寄与します。
ただし、ターボエンジンではスキッシュエリアの隙間がデトネーション(ノッキング)の発生源となりやすいです。
スキッシュエリアとノッキングの関係
スキッシュの役割
- スキッシュエリアは、ピストンとシリンダーヘッドの間の狭い隙間で、圧縮上死点(TDC)付近で混合気を燃焼室中央に押し出し、乱流を強化して燃焼速度を上げる役割を果たします。
- これによりノッキングを抑制する効果もあります。
ノッキングが起きやすくなる条件(ターボエンジン特有の要因)
- 高い吸気圧・高温
- ターボチャージャーによって吸気圧が高まり、混合気温度も上昇します。
- 高温高圧の混合気は自己着火しやすくなり、ノッキングのリスクが増加。
- スキッシュエリアの「ホットスポット」化
- スキッシュエリアは冷却が難しいため、局所的に高温になりやすい。
- この高温部に混合気が滞留すると、予混合気が早期に自己着火し、ノッキングが発生。
- 燃焼遅れと圧力波の干渉
- スキッシュ流が不十分だったり、点火タイミングが不適切だと、燃焼が遅れて圧力波が干渉し、異常燃焼が起きやすくなります。