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複数条件の場合はキーワードの間にスペースを入れてください。2級ガソリン自動車整備士・試験問題
2G 登録試験 2025年10月 問題17
解説
(1)トーイン及びマイナス・キャンバを設けることにより、 両スラスト力が打ち消しあうので、 イン方向のサイドスリップ量 (横滑り量)を小さくすることができる。
選択肢(1)が不適切です。
正しくは、以下の通りです。
トーイン及びプラス・キャンバを設けることにより、両スラストカが打ち消しあうので、サイド・スリップ量(横滑り量)を小さくすることができる。
トーインとプラス・キャンバによるスラスト力の相殺
この現象は、主に前輪におけるスラスト力(横方向に車体を押し出す力)の調整に関するものです。
- スラスト力の発生方向
- トーインによるスラスト力:
タイヤが内側を向いているため、走行抵抗によりタイヤは内側(車体中央方向)に押し付けられる力を発生させます。 - プラス・キャンバによるスラスト力:
タイヤの上部が外側に傾いているため、路面との摩擦によりタイヤは外側(車体外側方向)に押し付けられる力を発生させます。
- トーインによるスラスト力:
- スラスト力の相殺とサイド・スリップの最小化
理想的なアライメント調整では、このトーインによる内向きのスラスト力と、プラス・キャンバによる外向きのスラスト力を意図的に打ち消し合うように設定します。
$$\text{トーインによる内向きの力} \approx \text{プラス・キャンバによる外向きの力}$$
これにより、左右のタイヤが路面に対して横方向に滑ろうとする力の総和(合力)がほぼゼロになり、結果としてサイド・スリップ量(横滑り量)を最小限に抑え、直進安定性を確保することができます。
サイド・スリップとの関係
サイド・スリップとは、車が直進する際に、タイヤが横方向に滑る量(通常は1m走行したときの横滑り量mm/mで測定)を指します。スラスト力が相殺されることで、車が左右どちらかに引っ張られる現象(横滑り)が減少し、まっすぐ安定して走行できるようになるのです。
補足:現代の乗用車では、マイナス・キャンバが採用されているケースも多く、その場合はタイヤは内側にスラスト力を発生させます。
この場合、マイナス・キャンバによる内向きのスラスト力を打ち消すため、トー角をトーアウトに近い値に設定するなど、車種や目的に応じた最適なバランスが設計されています。
最も重要なのは、各角度が単独でなく互いに影響し合っているということです。
(2)スラスト角(後輪偏向角度)とは、車両の中心線(幾何学中心線)とスラスト・ラインの角度のことをいう。
選択肢(2)は、適切です。
(3)ボール・ナット型ステアリング装置では、直進走行時のステアリング・ホイールのセンタ位置に狂いが生じるが、 左右の切れ角はストッパで調整することができるため、 左右のタイロッド長が異 なっても切れ角への影響はあまりない。
選択肢(3)も適切です。
(4)ホイールのリヤ側にタイロッドがある車両が旋回するとき、バウンド時(スプリング圧縮時)にはトーイン側へ、 リバウンド時 (スプリング伸長時)にはトーアウト側へとトーが変化する。
選択肢(4)も適切です。