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複数条件の場合はキーワードの間にスペースを入れてください。2級ガソリン自動車整備士・試験問題
2G 登録試験 2025年10月 問題19
解説
(1)ロックアップ・ピストンには、エンジンからのトルク変動を吸収、緩和するダンパ・スプリングが組み込まれている。
選択肢(1)は、適切です。
(2)ロックアップ・ピストンは、タービン・ランナのハブにスプラインかん合されている。
選択肢(2)も適切です。
(3)ロックアップ機構とは、トルク・コンバータのポンプ インペラとタービン・ランナを機械的に連結し、 直接動力を伝達する機構をいう。
選択肢(3)も適切です。
(4)ロックアップ・ピストンがトルク・コンバータのカバーから離れると、カバー(エンジン)の回転がタービン・ランナ(インプットシャフト)に直接伝えられる。
選択肢(4)が不適切です。
正しくは以下の通りです。
タービン・ランナのハブにスプライン嵌合されたロックアップ・ピストンがトルク・コンバータのカバーに圧着されることで、カバー(エンジン)の回転をタービン・ランナ(インプット・シャフト)に直接伝えている。
ロックアップ機構は、電子制御式AT(オートマチック・トランスミッション)の燃費向上と伝達効率改善に不可欠な機能です。
これは、トルクコンバータの流体による伝達を一時的に停止し、エンジンとトランスミッションの入力軸を機械的に直結する機構です。
その構造と動作について、解説します。
1. ロックアップ機構の基本と目的
ロックアップ機構は、特定の走行条件下でトルクコンバータの主要構成要素を機械的に結合します。
1-1. 機構の目的
トルクコンバータは、流体(ATF)を介してトルクを伝達するため、ポンプ・インペラとタービン・ランナの間に回転速度差(スリップ)が生じます。
このスリップはトルク増幅の役割を果たしますが、高速走行時などではエネルギー損失(燃費悪化)と発熱の原因となります。
ロックアップ機構の目的は以下の通りです。
- 伝達効率の向上:
スリップをなくすことで、エンジン出力をほぼ100%トランスミッションに伝達します。 - 燃費の改善:
伝達ロスを減らすことで、燃費を向上させます。 - 発熱の抑制:
ATFの攪拌による発熱を抑えます。
1-2. 作動条件
一般的に、この機構は、一定の車速に達し、ギアが中~高速段(この例では前進4速など)に入った定速走行時に電子制御によって作動します。
2. ロックアップ機構の構造と作動原理
ロックアップ機構は、主にロックアップ・ピストンと、その作動を制御するATFの油圧によって機能します。
2-1. 主要構成要素の関係
| 部品名 | 接続先 (回転源) | 役割 |
| トルクコンバータ・カバー | エンジン・クランクシャフト | エンジンと直結し、常にエンジン回転数で回転。 |
| タービン・ランナ | トランスミッション・インプットシャフト | ATFの流れでトルクを受け、トランスミッションを駆動。 |
| ロックアップ・ピストン | タービン・ランナのハブ | 圧着することで、カバーの回転をタービンに伝える。 |
2-2. ロックアップ・ピストンの役割
ロックアップ・ピストンは、タービン・ランナのハブにスプラインかん合されており、タービン・ランナと一体で回転します。
- ダンパ・スプリング:
ピストン内部には、ダンパ・スプリング(トルクダンパ)が組み込まれています。これは、ロックアップ時にエンジンからのトルク変動(燃焼に伴う回転ムラ)がトランスミッションに直接伝わるのを吸収し、振動や騒音の発生を緩和する役割を果たします。
2-3. ロックアップの動作(油圧による圧着)
ロックアップのON/OFFは、ATFの油圧制御によって行われます。
- ロックアップ・オフ(流体伝達時):
ロックアップ・ピストンにかかるATFの油圧が調整され、ピストンはカバーから離れた状態を保ちます。このとき、動力はトルクコンバータの流体を介して伝達されます。 - ロックアップ・オン(機械的直結時):
電子制御により、ATFの圧力が変化し、ロックアップ・ピストンがトルクコンバータのカバー側へ押し付けられます。- ロックアップ・ピストンの表面には摩擦材が貼られており、ピストンが高速回転中のトルクコンバータ・カバーの内面に圧着されます。
- カバー(エンジン回転)とピストン(タービン・ランナ/インプット・シャフト)が摩擦力によって一体化します。
この圧着により、エンジンからの回転力(カバーの回転)は、流体を介さずにロックアップ・ピストン、そしてタービン・ランナを介してトランスミッションのインプット・シャフトに直接伝達されます。これにより、エンジンとトランスミッションの回転速度はほぼ同じになり、スリップが解消されます。