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2級ガソリン自動車整備士・試験問題
2G 登録試験 2025年10月 問題20
図に示すタイヤの波状摩耗の主な原因として、不適切なものは次のうちどれか。
(1) エア圧の過大
(2) ホイール・ベアリングのがた
(3) ホイールアライメントの狂い
(4) ホイール・バランスの不良
解説
(1)エア圧の過大
選択肢(1)が不適切です。
タイヤに発生する波状摩耗(カッピング摩耗(Cupping wear)、ディンプリング摩耗(Dimpling wear/Scalloping wear)とも呼ばれます)は、トレッド(接地面)のブロックやリブが円周方向に不均一に、波打つように摩耗する現象です。特に、ショルダー部(タイヤの両端)に顕著に見られることが多いです。
この波状摩耗の主要な原因として挙げられている3つの要素について、解説します。
1. ホイール・バランスの不良
ホイール・バランスとは、タイヤとホイールを組み付けた際の質量(重さ)の偏りがないか、そしてその偏りを打ち消すようにバランスウェイトを付けて調整することです。
- 不良の影響:
- バランスが悪いと、特定の回転位置で重い部分ができ、走行中に上下方向や横方向への振動が発生します。
- この振動がサスペンションシステムを通じてタイヤに伝わり、タイヤが路面を叩く(バウンドする)状態を繰り返します。
- その結果、叩きつけられる部分とそうでない部分で摩耗の度合いに差が生じ、タイヤの周方向に沿って不均等な摩耗(波状摩耗やピット状摩耗)を引き起こします。
- 特に高速走行時に、ハンドルや車体にブレ(振動)を感じやすくなります。
2. ホイール・ベアリングのがた
ホイール・ベアリングは、車軸とホイールを繋ぎ、スムーズな回転を支える重要な部品です。このベアリングに摩耗や損傷が生じると「がた(遊び)」が発生します。
- がたの影響:
- ベアリングに「がた」が生じると、走行中にタイヤの回転軸が不安定になり、ブレたり振動したりします。
- この不安定な回転や振動により、タイヤが路面に均等に接地しなくなり、特定の箇所で過大な摩擦がかかったり、接地が途切れたりします。
- これが波状摩耗を発生させる原因となります。
- がたが大きくなると、異音(「ゴー」というような持続的な音)や、ハンドルの操作性悪化、最悪の場合はホイール脱落につながる危険性もあります。
3. ホイール・アライメントの狂い
ホイール・アライメントとは、車体を正面、側面、上部から見た際のタイヤの取り付け角度や向きのことです。主にトー(タイヤを上から見た時の向き)やキャンバー(タイヤを正面から見た時の傾き)などが含まれます。
- 狂いの影響:
- アライメントが狂うと、タイヤが進行方向に対して常に斜めに引きずられながら回転する状態になります。
- 特に波状摩耗に関係が深いのは、トーイン(前輪が内股になる状態)やキャンバー(車体の傾き)の不適正です。
- タイヤのトレッド面全体が均一に路面と接触せず、ブロックの端に過度な摩擦がかかり、進行方向に対して斜めに削れたり、段差ができたり(フェザーエッジ摩耗(タイヤのブロックのカドが浮き上がる)や波状摩耗)します。
- アライメント不良は、波状摩耗だけでなく、タイヤの片側だけが異常に摩耗する(片べり摩耗)の主な原因ともなります。
その他の促進要因
上記の3つ以外にも、波状摩耗を促進する要因として、以下の点も考慮されます。
- 空気圧不足:
タイヤがたわみやすくなり、ショルダー部への負荷が増加し、不均一な摩耗を招きます。 - サスペンションの劣化:
ショックアブソーバー(ダンパー)やスプリングが劣化すると、走行中の振動を吸収できず、タイヤが路面を不規則に叩き、波状摩耗を悪化させます。 - ローテーション不足:
前後輪で摩耗の進行度が異なるため、定期的にタイヤの位置交換(ローテーション)をしないと、摩耗が偏りやすくなります。