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2級ガソリン自動車整備士・試験問題

2G 登録試験 2025年10月 問題13

吸排気装置の過給機に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。
(1) ターボ・チャージャは、過給圧が規定値以上になると、ウエスト・ゲート・バルブが開いて、 排気ガスの一部がタービン・ホイールをバイパスして排気系統へ直接流れる。
(2) 2葉ルーツ式のスーパ・チャージャでは、過給圧が規定値以上になると、過給圧の一部を排気側へ逃がし、過給圧を規定値に制御するエア・バイパス・バルブが設けられている。
(3) 2葉ルーツ式のスーパ・チャージャでは、ロータ1回転につき4回の吸入・ 吐出が行われる。
(4) ターボ・チャージャは、小型軽量で取り付け位置の自由度は高いが、 排気エネルギの小さい低速回転域からの立ち上がりに遅れが生じ易い。

解説

(1)ターボ・チャージャは、過給圧が規定値以上になると、ウエスト・ゲート・バルブが開いて、 排気ガスの一部がタービン・ホイールをバイパスして排気系統へ直接流れる。

選択肢(1)は、適切です。

(2)2葉ルーツ式のスーパ・チャージャでは、過給圧が規定値以上になると、過給圧の一部を排気側へ逃がし、過給圧を規定値に制御するエア・バイパス・バルブが設けられている。

選択肢(2)が不適切です。

正しくは、以下の通りです。

2葉ルーツ式のスーパ・チャージャでは、過給圧が規定値になると、過給圧の一部を吸入側へ逃がし、過給圧を規定値に制御するエア・バイパス・バルブが設けられている。

(3)2葉ルーツ式のスーパ・チャージャでは、ロータ1回転につき4回の吸入・ 吐出が行われる。

選択肢(3)は、適切です。

(4)ターボ・チャージャは、小型軽量で取り付け位置の自由度は高いが、 排気エネルギの小さい低速回転域からの立ち上がりに遅れが生じ易い。

選択肢(4)も適切です。

ターボ・チャージャが排気エネルギーの小さい低速回転域からの立ち上がりに遅れが生じやすいのは、その機械的構造と作動原理に起因します。

この遅れは一般にターボラグと呼ばれます。

ターボラグの機械的・構造的な説明

  1. 慣性質量と回転抵抗 ターボ・チャージャは、排気ガスによって駆動されるタービンと、それとシャフトで連結されたコンプレッサ(圧縮機)から構成されます。
    • タービンやコンプレッサの羽根車(インペラ)には、物理的に質量があり、これらを高速で回転させるには慣性に打ち勝つエネルギが必要です。
    • 特にエンジンが低速回転(アイドリング付近や軽い加速時など)にある場合、排出される排気ガスの量と勢い(運動エネルギ)が小さいため、この小さなエネルギではタービン・コンプレッサ・ユニットを瞬時に必要な高回転数まで加速させることができません。
    • この慣性質量と回転抵抗によって、排気エネルギが増加し始めてから、実際にコンプレッサが十分な吸入空気を圧縮して送り込む(過給圧が立ち上がる)までの間に時間的な遅れが生じます。
  2. 排気ガスのエネルギー不足
    • ガソリンエンジンは低速回転域では燃焼サイクルが少なく、シリンダーから排出される排気ガスの流速や圧力が低いです。
    • ターボチャージャは、この排気ガスのエネルギを効率良く利用して動く仕組みですが、エネルギが不十分だとタービンの回転速度が上がらず、結果としてコンプレッサによる過給効果も得られません
    • エンジン回転数が上がり、排気エネルギが十分に供給されるようになって初めて、ターボは本格的に作動し、過給圧が立ち上がります。
  3. ハウジング内の流路抵抗
    • タービンハ・ウジングとコンプレッサ・ハウジングは、排気ガスと吸入空気を適切に導く形状をしていますが、その構造上、排気ガスのエネルギをタービンに伝える際や、空気を圧縮する際に流路抵抗が生じます。
    • 低い排気エネルギでこの抵抗に打ち勝ち、タービンを回転させるのにも時間を要します。

これらの要因が複合的に作用し、ドライバーがアクセルを踏み込んでも(=排気エネルギが増え始めても)、実際にエンジンが過給された空気を受け取ってパワーが増すまでにタイムラグが生じるのです。

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