整備士ドットコム
Jidoshaseibishi.com
複数条件の場合はキーワードの間にスペースを入れてください。
Advertisement
2級ガソリン自動車整備士・試験問題
2G 登録試験 2025年10月 問題09
点火順序が1-5-3-6-2-4の4サイクル直列6シリンダエンジンに関する次の文章の(イ)と(ロ)に当てはまるものとして、適切なものはどれか。
第6シリンダが排気上死点にあり、この位置からクランクシャフトを回転方向に回転させ、 第3シリンダのバルブをオーバラップの上死点状態にするために必要な回転角度は(イ)である。 その状態で、インテーク・バルブ及びエキゾースト・バルブ両方のバルブ・クリアランスの測定を行えるのは(口)である。
第6シリンダが排気上死点にあり、この位置からクランクシャフトを回転方向に回転させ、 第3シリンダのバルブをオーバラップの上死点状態にするために必要な回転角度は(イ)である。 その状態で、インテーク・バルブ及びエキゾースト・バルブ両方のバルブ・クリアランスの測定を行えるのは(口)である。
(1) (イ) 600° (口) 第6シリンダ
(2) (イ) 240° (口) 第3シリンダ
(3) (イ) 600° (口) 第4シリンダ
(4) (イ) 240° (口) 第1シリンダ
解説
前提知識
多気筒ガソリンエンジンでバルブ・クリアランスを「圧縮上死点」で測定する理由は、以下の通りです:
バルブ・クリアランスを圧縮上死点で測定する理由
- バルブが完全に閉じている状態だから
- 圧縮上死点(TDC:Top Dead Center)は、吸気・排気バルブが両方とも閉じているタイミングです。
- この状態であれば、バルブとロッカーアーム(またはカム)との隙間=バルブ・クリアランスが正確に測定できます。
- カムのリフトがゼロに近い位置だから
- カムシャフトの形状により、バルブを押し下げる「リフト」が発生しますが、圧縮上死点ではカムのベースサークル(リフトゼロの部分)がロッカーアームに接しているため、正確な隙間が測れるのです。
- エンジンの作動に影響しない静的な状態だから
- バルブが開いている状態で測定すると、カムのリフトが加わってしまい、正しいクリアランスが得られません。
- 圧縮上死点はエンジンのサイクルの中でも静的な状態で、測定や調整に最も適しています。
- 整備手順として確立されている
- 多くの整備マニュアルでは、各気筒を順番に圧縮上死点に合わせてバルブ・クリアランスを測定する方法が採用されています。
- これにより、誤差なく確実に調整できるため、整備性が高いのです。
補足:なぜバルブクリアランスが重要か?
- バルブクリアランスが広すぎると → バルブ開閉タイミングが遅れ、燃焼効率が低下。異音も発生。
- 狭すぎると → バルブが完全に閉じず、圧縮漏れやバルブ焼損の原因に。
さて、第6シリンダが排気上死点では、図の状態になります。

この位置からクランクシャフトを回転方向に回転させ、 第3シリンダのバルブをオーバラップの上死点状態にするために必要な回転角度は600°(120°×5)です。

ちなみに、オーバラップの「上死点状態」とは、ピストンが上死点に位置する際、排気バルブと吸気バルブがともに開いている状態を指します。
この状態は、排気行程の終わりから吸気行程が始まるまでの、わずかな期間にのみ発生します。
解説を続けると、その状態で、インテーク・バルブ及びエキゾースト・バルブ両方のバルブ・クリアランスの測定を行えるのは 圧縮上死点の第4シリンダです。
選択肢(3)が正解となります。