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複数条件の場合はキーワードの間にスペースを入れてください。2級ガソリン自動車整備士・試験問題
2G 登録試験 2025年10月 問題08
解説
(1)バキューム・センサの出力電圧は、 インテークマニホールド圧力が高くなるほど大きくなる(増加する) 特性がある。
選択肢(1)は、適切です。
(2)ホール素子式のアクセル・ポジション・センサは、制御用センサと異常検出用センサの二重系統になっており、ECUは二つの信号の電圧差により異常を検出している。
選択肢(2)も適切です。
(3)空燃比センサの出力は、理論空燃比より小さい(濃い)と低くなり、大きい(薄い)と高くなる。
選択肢(3)も適切です。
(4)ジルコニア式O2センサのジルコニア素子は、高温で内外面の酸素濃度の差がないときに起電力が発生する性質がある。
選択肢(4)が不適切です。
正しくは以下の通りです。
ジルコニア式O2センサのジルコニア素子は、高温で内外面の酸素濃度の差が大きいときに起電力が発生する性質がある。
参考
ジルコニア式O₂センサ(酸素センサ)は、排気ガス中の酸素濃度を検出して空燃比(A/F)を制御するための重要なセンサです。
その中核となるジルコニア素子(ZrO₂)の働きについて、以下に解説します。
ジルコニア式O₂センサの原理
- ジルコニア(ZrO₂)素子の構造と性質
- ジルコニアは高温(約350〜800℃)で酸素イオン(O²⁻)を通す固体電解質になります。
- センサ素子は内側と外側に白金電極が塗布された中空の筒状構造で、内側には大気(基準酸素濃度)、外側には排気ガス(可変酸素濃度)が接触します。
- 酸素濃度差による起電力の発生
- 排気ガス中の酸素濃度が大気より低い(=燃料が濃い)と、ジルコニア素子を通じて酸素イオンが移動し、電位差(起電力)が発生します。
- この起電力はネルンストの式に従い、酸素濃度差が大きいほど高くなります。
\[ \begin{align*} E &= \frac{RT}{4F} \ln\left(\frac{P_{\text{O}_2(\text{大気})}}{P_{\text{O}_2(\text{排気})}}\right) \\ \\ ここで&:\\ \\ &E :起電力(V) \\ \\ &R :気体定数 (8.314 J/mol·K)\\ \\ &T :絶対温度(K)\\ \\ &F :ファラデー定数 (96485 C/mol) \\ \\ &P_{\text{O}_2}:酸素分圧 \end{align*} \]
ジルコニア式O₂センサにおける分母の 4 の意味
酸素分子(O₂)が酸素イオン(O²⁻)になる反応は以下の通り:
\[ \text{O}_2 + 4e^- \rightarrow 2\text{O}^{2-} \]
この反応では、酸素分子1つにつき4個の電子が関与します。
したがって、ネルンスト式の分母には 「4F」 が現れます。
実際の動作と空燃比との関係
空燃比 排気中のO₂濃度 起電力(V) ECUの判断 リッチ(濃い) 低い 約0.8〜1.0V 燃料を減らす ストイキ(理論) 中間 約0.45V 基準状態 リーン(薄い) 高い 約0.1〜0.2V 燃料を増やす このように、ジルコニア素子は酸素濃度差を電圧として出力し、ECUが空燃比をフィードバック制御します。
高温が必要な理由
- ジルコニアが酸素イオン導電性を持つのは高温時のみ。
- そのため、ヒーター内蔵型O₂センサ(ヒーテッドO₂センサ:HO₂S)が一般的で、エンジン始動直後から正確な検出が可能になります。