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複数条件の場合はキーワードの間にスペースを入れてください。2級ガソリン自動車整備士・試験問題
2G 登録試験 2024年03月 問題04
電子制御式燃料噴射装置のセンサに関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
解説
(1)ジルコニア式$\ce{O2}$センサのジルコニア素子は、高温で内外面の酸素濃度の差が小さいと起電力を発生する性質がある。
選択肢(1)は、不適切です。
正しくは、以下の通りです。
ジルコニア式$\ce{O2}$センサのジルコニア素子は、高温で内外面の酸素濃度の差が大きいときに起電力が発生する性質がある。
原理は、試験範囲外ですので、参考がてら動作原理を下段に記載しております。
(2)空燃比センサの出力は、理論空燃比より大きい(薄い)と低くなり、小さい(濃い)と高くなる。
選択肢(2)も不適切です。
正しくは、以下の通りです。
空燃比センサの出力は、理論空燃比より小さい(濃い)と低くなり、大きい(薄い)と高くなる。

空燃比が濃い状態は、空気より燃料が多く、酸素が少ないので大気酸素との差の酸素分圧が大きく、ジルコニアに電位差が大きくなります。
空燃比が薄い状態は、空気より燃料が少なく酸素が多いので大気酸素との差の酸素分圧が小さく、ジルコニアに電位差が小さくなります。
(3)バキューム・センサは、インテーク・マニホールド圧力が高くなると出力電圧が小さくなる特性がある。
選択肢(3)も不適切です。
正しくは、以下の通りです。
バキューム・センサの出力電圧は、インテーク・マニホールド圧力が高くなるほど大きくなる(増加する)特性がある。
(4)熱線式エア・フロー・メータの発熱抵抗体は、吸入空気の温度に影響を受けるので、その影響を打ち消すため、発熱抵抗体のすぐそばに温度補償抵抗体が設けられている。
選択肢(4)が適切です。
発熱抵抗体だけで空気流量を計測した場合、吸入空気量が同じであっても、空気の温度によって発熱抵抗体から奪う熱量が異なるため、正確な空気量の計測ができなくなります。
したがって、これらの問題点を改善するために、温度補償抵抗体をバイパス通路に設置して吸入空気の温度を計測しています。
ジルコニア式O2センサ
金属などの固体の場合は電子伝導性を、電解質が溶けた溶液はイオン伝導性を示すことがよく知られています。
酸化ジルコニウム($\ce{ZrO2)}$は、酸素イオン導電性固体電解質です。
濃淡電池は、同一物質の濃度(分圧)によって電極電位が変化することを利用した電池で、電解質濃淡電池と電極濃淡電池があります。
ジルコニア素子の両面に多孔質の白金電極を貼り付けて加熱し、それぞれの面に酸素濃度差のあるガスを接触させ、 濃度の高い側で起こる還元反応(電子をもらう:酸化数が減る)と、 濃度の低い側で起こる酸化反応(電子を手放す:酸化数が増える)における電極間の起電力$\ce{E}$から、酸素濃度を求めることができます。

上が高濃度側
高濃度側 $\ce{ \underbrace{O2 + 4e^{-}}_{反応前} → \underbrace{2O^{2-} }_{反応後}}$ 還元反応
(濃度の高い側の電極で酸素分子($\ce{O2}$)は電子をもらって酸素イオン($\ce{O^{2−} }$)になります)
低濃度側 $\ce{ \underbrace{2O^{2-} }_{反応前} → \underbrace{O2 + 4e^{-} }_{反応後} }$ 酸化反応
(濃度の低い側の電極では酸素イオン($\ce{O^{2−} }$)が電子を離して酸素分子($\ce{O2}$)に戻ります)
酸素イオン$\ce{ 2O^{2-} }$ がジルコニアの高濃度側から低濃度側にイオン伝導し、電極間に電位差を生じます。
ジルコニアの隔壁の両側に酸素分圧があると、この分圧差に応じた起電力$\ce{E}$が発生します。(酸素濃淡電池)
この起電力$\ce{E}$から、酸素濃度を求めることができます。
ここで、酸素イオン伝導をすこし詳しく述べた理由は、このイオン伝導の主たる応用先が燃料電池だからです。
燃料電池とは、燃料ガスおよび空気から発電が可能な電気化学デバイスであり、エネルギ効率に優れています。
純粋な酸素イオン伝導体は、固体酸化物系燃料電池(SOFC)の電解質として使用されます。
化学の基礎
酸化された
①酸素$\ce{O}$と結びつく
②水素$\ce{H}$を失う
③電子$\ce{e-}$を失う
還元された
①酸素$\ce{O}$を失う
②水素$\ce{H}$と結合する
③電子$\ce{e-}$を受け取る