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複数条件の場合はキーワードの間にスペースを入れてください。2級ガソリン自動車整備士・試験問題
2G 登録試験 2024年03月 問題07
鉛バッテリに関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
解説
(1)バッテリから取り出し得る電気量は、放電電流が大きいほど小さくなる。
選択肢(1)が適切です。
充電完了後から所定の放電終止電圧まで放電する間に取り出すことのできる電気量のことを定格容量や放電容量といいます。
バッテリから取り出し得る電気量が、放電容量です。
単位は、電流と時間です。
放電容量は、個々のバッテリであらかじめ決まっています。
大きな放電電流だろうと小さな放電電流だろうと、バッテリ容量が決まっているから関係ないように思えますね。
ただ、やっぱり、大電流を流すことは、バッテリにもキツイ仕事になり、バッテリからの電気量は減少します。
大電流だと、化学変化がついていけないとか、熱で消費したり、バッテリには過酷な作業になります。

スタータ・バッテリのみならずディープ・サイクル・バッテリでも、バッテリから取り出し得る電気量は、放電電流が大きいほど小さくなることは同じです。
(2)バッテリの電解液温度が50℃未満におけるバッテリの容量は、電解液温度が高いほど減少し、低いほど増加する。
選択肢(2)は、不適切です。
正しくは、以下の通りです。
バッテリの電解液温度が$50℃$未満におけるバッテリの容量は、電解液温度が高いほど増加し、低いほど減少する。
$50℃$までは、電解液の拡散がよくなるために、バッテリ容量は、電解液の温度が上がれば増加します。
(3)起電力は、一般に電解液の温度が高くなると小さくなり、その値は、電解液温度が1℃上昇すると 0.0002V~0.0003V程度低くなる。
選択肢(3)も不適切です。
正しくは、以下の通りです。
起電力は、一般に電解液の温度が高くなると大きくなり、その値は、電解液温度が1℃上昇すると$0.0002~0.0003V$程度高くなる。
(4)バッテリの放電終止電圧は、一般に放電電流が大きくなるほど、高く定められている。
選択肢(4)も不適切です。
正しくは、以下の通りです。
バッテリの放電終止電圧は、一般に放電電流が大きくなるほど、低く定められている。
(1)に関連しますね。
放電電流が大きいと、電圧も大きく低下します。
試験に出ない小ばなし
バッテリ容量の単位は、なぜ Ah か? なぜ 電力量を用いないか。
電気量$Ah$に電圧$V$を掛けますと、電力量$VAh = Wh$になります。
ところがバッテリ電圧は、化学的に決まっていますので、決められた電圧降下範囲で、電流をどれくらい流せるかが重要となり、電気量がバッテリの性能を正確に表すことができからです。
そうなれば、あえて、電力量を用いる必要はありません。
ただ、ハイエース車中泊では、ディープ・サイクル・バッテリとインバータで家電製品を利用する場合には、電力や電力量の計算が必要になります。
電気量は、単位 クーロン $C$ です。
電流の単位は、アンペア$A$で、$C/t$(時間)です。 $C=At$
電気量は、$1$時間($h$)を基準にすれば $C=Ah$ となります。
ついでに、電気とは、ものそのものではなく、物質の属性(性質・特性といってもよい)のひとつです。
物質には、重さ、長さ、硬さとかいろいろな属性があります。
電気とは、物質のたくさんある中のひとつの属性であるため、なかなか分かりにくいところがあります。
ゆえに、物質の電気的特性という言い方をして、属性を限定します。
ちなみに、電気量を世界で初めて定義したのは、英国のマイケル・ファラデーです。
ファラデーが定義した電気量の単位は、当初は「ファラデー」と呼ばれていましたが、後に「クーロン」に改名されました。
彼の功績は、ファラデー定数として、今でも重要な定数として存在しています。
コンデンサの単位が、ファラド ですが、 ファラデー をちなんで付けられました。
(貧しくて小学校退学のマイケル・ファラデーは、製本バイトで読み書き計算を独学で得た人でした。)
以上、試験に出ない小噺でした。