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複数条件の場合はキーワードの間にスペースを入れてください。2級ガソリン自動車整備士・試験問題
2G 登録試験 2019年03月 問題05
鉛バッテリに関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
解説
選択肢(4)が適切です。
(4)バッテリから取り出し得る電気量は、放電電流が大きいほど小さくなる。
用語を確認しましょう。
容量という用語を教科書では用いていますが、一般的に言えば放電容量のことです。
そして、放電容量とは、規定された条件の中で取り出せる(あるいは蓄えられる)電気量でもあります。
絶対値的な表現、例えば、$100Ah$という表し方は放電容量と呼んでいます。
もう一つの表現は、相対値表現、完全充電したバッテリを$5$時間率放電で放電するする場合に取り出すことをできる電気量を$100%$と規定して、例えば$2$時間率放電の性質を%で比較することができます。
しかしながら、放電容量[$Ah$]=電気量[$Ah$]として扱い、特に使い方にこだわらない人も多い。
選択肢(4)の、『(4)バッテリから取り出し得る電気量は、放電電流が大きいほど小さくなる。』では、取り出し得る容量とは言いにくいので、「電気量」という用語を選んだのでしょう。
ちなみに、教科書は、
容量は、放電電流が大きいほど小さくなる。
です。
ゆえに、電気量と容量? ‥ どういうこと?、どういう意味?
受験生が用語で混乱する。
‥”取り出し得る電気量”、‥”取り出せる電気量”、‥”蓄えられる電気量”などと電気量の場合には、電気量の前に修飾語がくっつく表現が多いということです。
ちょっとしたことですが、”取り出せる”がついているなどを少し気にしながら教科書や参考書を読むと面白いかもしれませんね。
これが落ちです。
柔軟に対応できるようにしておきましょう。
余談ですが、電気量をちゃんと知ろうと思ったら物理、化学の世界が必要になりますので、現場的には容量といっておいた方が厄介なことにならないで済むのかもしれませんね。
細かいことですが、以前から気になっていた用語なので述べてみました。
(1)バッテリの電解液温度が$50℃$未満におけるバッテリの容量は、電解液温度が高いほど減少し、低いほど増加する。
この選択肢は不適切です。
正しくは、以下の通りです。
バッテリの電解液温度が$50℃$未満におけるバッテリの容量は、電解液温度が高いほど増加し、低いほど減少する。
(2)起電力は、一般に電解液の温度が高くなると小さくなり、その値は、電解液温度が1℃上昇すると0.0002~0.0003V程度低くなる。
この選択肢も不適切です。
正しくは、以下の通りです。
起電力は、一般に電解液の温度が高くなると大きくなり、その値は、電解液温度が1℃上昇すると0.0002~0.0003V程度高くなる。
(3)バッテリの放電終止電圧は、一般に放電電流が大きくなるほど、高く定められている。
この選択肢も不適切です。
正しくは、以下の通りです。
バッテリの放電終止電圧は、一般に放電電流が大きくなるほど、低く定められている。