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複数条件の場合はキーワードの間にスペースを入れてください。2級ガソリン自動車整備士・試験問題
2G 登録試験 2025年03月 問題03
ピストン・リングに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。
解説
(1)ピストン・リングには、耐摩耗性、 強じん性、耐熱性及びオイル保持性などが要求されるため、一般にコンプレッション・リングの材料は特殊鋳鉄又は炭素鋼で、オイル・リングは炭素鋼で作られている。
選択肢(1)は、適切です。
コンプレッション・リングとは、ピストン・リングの一種で、燃焼ガスや混合気が漏れないように防ぐ役割を担っています。
ピストン・リングは、ピストンにあるリング溝にはめ込まれ、上部から順にトップ・リング(コンプレッション・リング)、セカンド・リング(コンプレッション・リング)、サード・リング(オイル・リング)と呼ばれます。
実際のコンプレッション・リングの材料としては、炭素鋼、特殊鋳鉄、ステンレス鋼、 シリコンクロム鋼などがあります。
ピストン・リングは鋳鉄から鋼線への移行が進みつつあり、その先端を走っているのが日系メーカーです。
その鋼線素材のほとんどが日立金属(現プロテリアル)より供給されており、17Cr系鋼のマルテンサイト系特殊鋼が主流です。
(2)フラッタ現象が起きると、 ピストンリングの機能が損なわれ、ガス漏れによるエンジン出力の低下、オイル消費量の増大、リング溝やリング上下面の異常摩耗などが促進される。
選択肢(2)も適切です。
フラッタ現象とは、ピストンリングがリング溝の上下ではなく中間で浮く現象です。
エンジン回転数が高く、負荷が小さいときに発生します。
フラッタ現象の影響として以下の症状が現れます。
- ピストン・リングのシール性が急激に低下する
- ブローバイ・ガス(未燃焼ガスを含むガス)が急増する
- ガス漏れによるエンジン出力の低下
- オイル消費量の増大
- リング溝やリング上下面の異常摩耗などが促進される
日本では、フラッタがリンクが浮くように表現されますが、本質は、ぱたぱたするような現象を表しています。
フラッタ(flutter)は、はためく、ひらひら震える、羽ばたきする、羽ばたきして飛ぶ、ひらひらと飛ぶ、飛び交う、速く不規則に鼓動する、不規則に速く動く、ぴくぴくする、はらはらする浮き上がることよりも、パタパタした状態の表現です。
(3)バレル・フェース型のピストン・リングは、吸入行程では、シリンダ壁面と線接触し、また、燃焼(膨張)行程では、高い面圧でシリンダ壁面に密着しており、一般にセカンド・リングに用いられている。
選択肢(3)が不適切です。
バレル・フェース型のピストンリングは、燃焼行程及び圧縮行程では、燃焼ガスの圧力や圧縮圧力が、リングの上面と背面に加わるため、一層強くシリンダ壁面に密着して、ガス漏れや圧縮漏れを防ぐとともにオイル上がりを防ぐ。トップ・リングに用いられる。
アンダ・カット型のピストン・リングは、吸入工程では、シリンダ壁面と線接触し、また、燃焼工程では、高い面圧でシリンダ壁面に密着するためオイルをかき落とす作用があり、オイル上がりを防ぐ役目がある。セカンド・リングにに用いられる。
(4)スカッフ現象は、オイルの不良や過度の荷重が加わったとき、あるいはオーバヒートした場合などに起こりやすい。
選択肢(4)は、適切です。
スカッフ現象とは、シリンダ壁面の油膜が切れてリングとシリンダ壁面が直接接触し、リングやシリンダの表面にひっかき傷ができることを言います。
ピストン・リングのスカッフ現象の原因
- オイル不良
- 過度の荷重
- オーバヒート